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松田宣浩の凄さが分かる名言・語録集!熱男こと日本代表のムードメーカーの伝説エピソードから努力論まで


かつて日本シリーズでホームランを放った秋山幸二が、ホームベース上でバック宙を見せたことがありました。関係者からは賛否両論起こりましたが、両軍のファンはそれほど否定的ではなかったように思います。現在、その伝統なのか、パリーグではホームランを放った後に、ベンチ前でパフォーマンスを行う選手がいます。「どすこい」ポーズの山川穂高、「寿司パフォーマンス」のレアード、そして「熱男」の松田宣浩です。

「熱男」の始まりは2015年のチームスローガンが「熱男」だったことですが、そこから今や松田の代名詞となり、コロナウイルスによる自粛の中では、「熱男リレー」なる動画がアップされ、柳田悠岐らチームメイトはもちろん、糸井嘉男や杉谷拳士といった他チームの選手、サッカーの槙野智章や大久保嘉人、フィギュアスケートの安藤美姫、芸能界からは指原莉乃や武井壮らが、「熱男」パフォーマンスに参加しました。

2020年の無観客試合の中、福岡ソフトバンクホークスの試合中継を見ていると、投手に対して「ナイスピー」といった声がけや、フライが上がると「I Got It」と捕球を知らせたり、アウトカウントを確認したりするなど、松田のひと際大きな声が球場に響き渡っているのがわかります。2019年までに1638本の安打と、274本塁打を放っているベテランが、チームのムードメーカーとして存在感を発揮しているのです。

今回は「熱男」でおなじみ松田宣浩の凄さが分かる名言や語録を紐解き、チームだけでなく日本代表のムードメーカーとして、伝説エピソードから努力論にまで迫ります。

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松田宣浩について

まずは松田宣浩の経歴を追ってみます。

1983年5月17日生まれ、滋賀県草津市出身。双子の兄と一緒に野球を始め、共に中京高校に進み、2000年の夏の選手権大会にも出場。高校通算では61本塁打を記録しています。卒業後は亜細亜大学に進学。大学日本代表にも選出されます。2005年のドラフトの希望枠で福岡ソフトバンクホークスに入団します。

ルーキーイヤーには開幕1軍入りし、開幕戦にスタメン出場します。3年目の2008年にレギュラー定着。17本塁打を記録します。2009年は2度の骨折で苦しみますが、2010年は19本塁打に17盗塁と復活します。

2011年、初の全試合出場と共に25本塁打に27盗塁を記録し、初のゴールデングラブ賞にも輝きます。2013年にはWBC日本代表にも選出されます。2015年、チームスローガンの「熱男」のパフォーマンス誕生と共に、自己最多となる35本塁打を放ちました。また通算1000安打、150本塁打など節目となる記録も残すなど、チームの中心選手として勝負強い打撃を見せ、延長戦で3本のサヨナラホームランを放つという日本タイ記録も打ち立てます。

2015年から2019年まで5年連続で全試合に出場し、20本塁打以上を放ちました。30本塁打以上も3回記録し、20013年から7年連続でゴールデングラブ賞を獲得。日本を代表する強打の3塁手として活躍し続けています。

2019年シーズン終了まで、プロ通算14年間で1638安打、274本塁打、128盗塁、打率.270。ベストナイン1回、ゴールデングラブ賞8回。

その強打で6度の日本一に貢献し、この先、十分に通算2000本安打、350本塁打を狙える「熱男」の活躍が楽しみです。

 

私が選ぶ、松田宣浩の凄さがわかる名言・語録集

【名言語録その1】

「プライベートは寒男です(笑)」

ムードメーカーでいつも元気なイメージの松田ですが「球場では声がかれるまで声を出すけど、一日中元気を出すとバテる。だから家に帰ったら静か」なのだそうです。お笑い芸人でも普段は物静かだという人がいますが、サラリーマンでも職場の自分がいつもの自分と同じとは限らないでしょう。

松田は東都リーグの雄で、2020年シーズンにヤクルトスワローズの監督を務める高津臣吾や、中日ドラゴンズの監督を務める与田剛の他、井端弘和、赤星憲広、木佐貫洋、永川勝浩、現役では山崎康晃、東浜巨、九里亜蓮、藤岡裕大など、数多くのプロ選手を輩出している亜細亜大学の出身です。

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大学入学時に自分よりも実力のある選手たちを目の当たりにして、松田は「このまま萎縮したら負けだ」と思い、まずは元気に声を出すことを決めたのだそうです。

 

「誰よりも元気を出すと目立ちますよね。そこで結果を出せなかったら『なんやあいつ、それだけかい』って言われるじゃないですか。僕、それが嫌だったんです。だから『元気を出す以上は、絶対に結果を出さないといけない』ってね」

松田は声を出して目立つことで、あえて自分にプレッシャーをかけているのです。その背景には「僕はプレッシャーと責任って一緒だと思っているんです」という思いがあります。

今や名物となった「熱男」ですが、最初はチームスローガンとして印象はあまり良くなかったそうです。2015年4月29日の日本ハム戦で4回に5号ホームランを放った後、応援団に向かって叫んだのが初めてでした。

 

「チームのスローガンなんでね。自分が率先してやることで、ファンの皆さんにも浸透していけばいいなって思いました」

以来、2019年終了まで、少なくともホームランによる144回のパフォーマンスを見られたことになりますが、パフォーマンスが人気になればなるほど、プレッシャーとなり、彼曰くの「責任」を負ってきたことになります。

 

「熱男っていうスローガンは、結果的に自分のプレースタイルに一番合っているなって、あれをやっていくうちに感じたんでね。もう個人のスローガンになりました。僕は40になってもやりますよ。ユニフォームを着ている間はやり続けます。そういうおっさんがいたっていいじゃないですか」

それは松田には40歳まで責任を背負う覚悟があるという宣言でもあります。

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【名言語録その2】

「いつしか『鍛える』ということを忘れがちになる世界だから、僕はもっと鍛えないといけない」

鍛えることが大事だというのは「亜細亜大の時のトレーニングが身に染みついているのもありますかね(笑)」と語る松田。「僕の悪いところは考えすぎるところ」という言葉は感覚派といわれる松田だけに意外に聞こえますが、プロは感覚だけで通用するほど甘くはありません。

2018年6月1日、2014年から続けていた連続先発出場が、508試合目にして打撃不振のため途切れました。その後の練習で、松田はかつて死球で骨折を繰り返したこともあり、ベースから離れて打席に立っていたのですが、監督の工藤公康から「外の球を追いかけ過ぎている」と言われ、あえて打席のベース側ギリギリに立って打撃練習をしたそうです。

また松田独特の体の前にミートポイントを置く「前手ギュン」打法は、二軍監督だった秋山幸二のアドバイスによるもので、バットも870グラムくらいの軽いものに変えました。それによって「シンプルにボールをとらえられるようになった」そうです。

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「状態が悪いときはボールを長く見られない。それで差し込まれてしまう。差し込まれないためには前で打たなきゃならない。だから長く見て、前で打つんです」

長く見られないのに、長く見て、前で打つというのは矛盾しているようですが、松田は「矛盾した表現になるかもしれませんけど、体は後ろに残しつつボールは前で打つイメージです」とあえてそういう表現をしています。

感覚的に矛盾が両立することはよくある話です。重要なのは実績のある者のアドバイスにしっかりと耳を傾ける柔軟性と、自らを『鍛える』ことへの貪欲さだと思います。

 

【名言語録その3】

「僕はベテランって言葉があまり好きじゃなくて、大人の野球選手って言うんです」

プロ野球の世界は40歳まで頑張れる人は稀であり、30歳を過ぎるとベテランと呼ばれるわけで、全体としてとても若い集団です。そのため若さが価値を持つ一面がありますが、円熟しなければ出てこないものがあるのも確かです。

松田は30代を過ぎ「すごく視野が広くなって、自分以外の周りの状況がすごく見られるようになりました」と話しています。それが30代になってゴールデングラブ賞を獲り続けられている理由ではないかとも言っています。

 

「でも、ただ年齢を重ねていけばいいのかと言うと、僕はそれでは意味がないし、人として広がらないと思っていて、勝ったり、実績を上げていった経験値があって初めて、自分に対して自信をつけていくことができるのではないでしょうか」

これから年齢を重ねていくべき若者だけでなく、いつの間にか偉くなったおじさんたちにも、聞いて欲しい言葉だなと思います。

 


松田亘浩 2015年 08 月号 [雑誌]: 月刊ホークス 増刊

 

名言からの学び

・責任があるからプレッシャーがある。

・自分を鍛え続ける貪欲さが、自分を育てる。

・大人とは単に年齢を重ねただけでなく、実績を重ねた経験値を持つ存在である。

 

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