村田兆治の凄さがわかる名言・語録集!天才投手の伝説エピソードから人生哲学に迫る!
華やかな始球式の場面ですが、その多くが山なりのボールで、やっと捕手に届くかどうかという光景をよく目にします。しかし始球式で60歳を越えても130キロ以上の速球を投げ込み、68歳で112キロを記録したレジェンドが、村田兆治です。
現役時代は「まさかり投法」と呼ばれた独特のダイナミックなフォームから、重い速球とキレ味のいいフォークを投げ込み、時代を代表する剛腕として活躍。その後、肘を痛めてトミージョン手術を受け、長いリハビリの果て見事に復活。日曜日ごとの登板から「サンデー兆治」の異名で呼ばれました。
現役通算22年で、ほぼ2年のブランクがありながらも215勝を上げ、魔球フォークを駆使して4度の奪三振王になりますが、その魔球のキレは、時に捕手も捕れないほどであり、史上1位となる148の暴投を記録しました。
今回は剛腕村田兆治の凄さがわかる名言や語録から、天才投手の伝説エピソードも絡め、その人生哲学にまで迫りたいと思います。
村田兆治について
まずは村田兆治の経歴を追ってみます。
1949年11月27日生まれ、広島県豊田郡(現三原市)出身。福山電波工業高校(現近畿大学付属広島高校福山校)を卒業し、1967年にドラフト1位で東京オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)に入団。
2年目には6勝のうち5つが完封という成績を上げますが、伸び悩み、400勝投手の金田正一監督のアドバイスで、その後の「まさかり投法」につながるヒントを得て、投球フォームを改造。決め球となるフォークも覚えて、一躍パリーグを代表する投手となります。
しかし1982年に右肘を故障。当時の日本では肘にメスを入れた投手はもう終わりと言われていましたが、村田は渡米し、トミージョン手術を受け、およそ2年間のリハビリの果てに、見事「サンデー兆治」として復活。カムバック賞を受賞。
最多勝1回、最優秀防御率3回、最多セーブ1回。当時のパリーグには300勝投手の鈴木啓示や、史上最高のサブマリン山田久志など、後々レジェンドとなる名投手も多い中、その個性的な投球フォームと共に、唯一無二の投手として大活躍しました。
私が選ぶ、村田兆治の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録集その1】
「茶碗やコップから一升瓶まで、なんでも人差し指と親指だけではさむ練習をした」
伝家の宝刀であるフォークを磨くために、指を鍛える練習を怠らなかった村田ですが、同僚だった山本功児は、村田の車に鉄アレイが積んであり、信号待ちになると鉄球の部分を、フォークの握りで持ちあげる姿を目撃したそうです。
しかし決め球だけに、各球団は当然その対策をするようになるわけで、最初に南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)のプレイングマネージャーだった野村克也が投球を見抜き、「右腕を下に降ろした瞬間、ボールの握りが丸見えになる。それを三塁コーチが口笛を鳴らしてバッターに教えていた」そうです。
野村克也監督の名言!苦労人の努力やリーダー論など人生哲学に迫る
当時、パリーグの観客数はとにかく少なくて、口笛でもよく聞こえたそうです。
もちろん村田はすぐに対策を考えて実行しました。そこが一流のプロ同士の戦いなのでしょう。
落合博満はプロ入り一年目に、練習で村田と対戦し、2球投げて2球ともバットを折られて、プロの凄さを実感したそうです。
日々の地道な努力と工夫が、プロの凄みの背景にはあるのでしょう。
【名言語録集その2】
「打たれたら給料はいりません」
当時、金田正一監督がマウンドに来て交代を告げた時、金田がボールを受け取ろうと手を出した時、村田は手をひっこめたそうです。降板を拒否し、口にしたのが「打たれたら給料はいりません」という言葉でした。結局、金田は「好きにせい」と折れ、村田は見事に抑えてみせたそうです。
金田正一の凄さがわかる名言・語録集!天才投手の努力論や人生哲学まで迫ってみた!
独特の「まさかり投法」をものにするまでは、とにかく走り込み、腹筋と背筋を1000回ずつ、また左足を上げる練習を繰り返し続けたそうです。その筋力が60歳を越えても快速球を投げられる秘訣なのかもしれません。
かつてロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)時代に、ブルペンで村田兆治、木樽正明、成田文男という速球投手三人が並んで投げているのを見たことがあるのですが、きれいな回転の快速球で捕手の受ける音も高らかに響く木樽の横で、村田の球を受けている捕手のミットからは、ぐしゃっという音がして、怖いほど重さを感じるボールでした。
村田はノーサインで投げることが多く、サインなしで彼のフォークを受けられるのは袴田英利捕手しかおらず、村田の時は袴田が受けていました。なので村田が引退する時は「お前とじゃなきゃ、終われないんだよ」と袴田に受けてもらい、袴田もまた同じく引退しました。
プロのこだわりは、同じプロのみが知る、というところでしょうか。
【名言語録集その3】
「人は皆、人生というマウンドに立っています。途中降板はせず、最後まで完投してください」
復活は無理と言われた右肘の手術から、1073日のブランクを経て再び勝利を手にし、普通ならば肘のことを考えて、完投など考えないと思うのですが、村田は手術後も先発完投にこだわり続け、手術後でも多い年には16もの完投をしました。
「私の人生の喜びも悲しみも、すべてこのマウンドの上にありました」
そう語る村田ですが、プロ野球史上1位となる148もの暴投を投じているものの、最優秀防御率を3度も受賞するなど、暴投を得点にしてしまうことが少ない投手でした。
それはマウンドにいる限り、決してあきらめることなく、最後まで投げ続けようとする思いの結果なのではないでしょうか。
名言からの学び
・日々の地道な努力と鍛錬こそが、プロの実績を支えていく。
・プロのこだわりこそが、更なるプロを生み出す。
・最後まで貫き通すことで、頑張れることもある。
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