戸郷翔征の凄さが分かる名言・語録集!侍JAPANメンバーの伝説エピソードから努力論まで
2023年のワールドベースボールクラシック(WBC)には、まさに過去最強と評判のチームが集まっています。日本代表の侍JAPANも、強力な投手陣を揃え、3度目の優勝を狙っていますが、その投手陣の柱と期待される中に、プロでは大成しにくと言われたアーム無げの投手が2人います。日本のエース山本由伸と、ジャイアンツの若きホープ戸郷翔征です。
アーム投げは肩への負担が大きい投げ方だと言われ、早い時期に矯正されてしまうことも多く、そのままプロ入りしても故障してしまいがちでした。しかし、さまざまなトレーニングの発達により、山本や戸郷のようにアーム投げの投手が、日本を代表する存在になりました。
ドラフト6位という下位指名からのし上がり、読売ジャイアンツでは菅野智之の後を追う次世代エースとして、侍JAPANでは先発はもちろん第二先発としても起用される可能性がある戸郷。世界の強打者を相手にも好投が期待されます。
今回はWBC 侍JAPANメンバーである戸郷翔征の凄さが分かる名言や語録を紐解き、その伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
戸郷翔征について
まずは戸郷翔征の経歴を追ってみます。
2000年4月4日生まれ、宮崎県都城市出身。中学時代は軟式野球の捕手でしたが、2年から投手に転向。聖心ウルスラ学園高等学校に進学し、2年生の時に夏の選手権大会で甲子園のマウンドに立ちます。3年生の8月にアジア大会U18代表との壮行試合で好投して注目され、2018年のドラフトで読売ジャイアンツから6位指名を受けて入団します。
2019年、初登板初先発がリーグ優勝のかかった試合となり、翌週に初勝利をあげ、クライマックスシリーズのファイナルステージでも先発と、高卒ルーキーとしては異例の抜擢を受けます。2020年は開幕から先発ローテーション入りし、開幕3連勝などシーズン9勝をあげてリーグ優勝に貢献し、日本シリーズでも活躍。リーグの新人特別賞を受賞します。
2021年は前半戦だけで8勝しましたが、後半戦に失速し、シーズン9勝と二桁勝利の壁を2年続けて破れませんでした。奮起した2022年、初の二桁となる12勝をあげ、最多奪三振のタイトルを獲得。2023年に開催されるWBCの日本代表メンバーにも選出されました。
2022年シーズン終了時まで、プロ通算4年間で31勝、防御率3.21。最多奪三振1回。
ジャイアンツにとっても、日本代表にとっても、若き期待の星です。
私が選ぶ、戸郷翔征の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「(ドラフト6位だということについて)意識はやっぱりある。関係ないという人もいますが、それに関して僕は思うところがある」
ドラフト6位という下位指名からのプロ入りだった戸郷。高校3年の時、アジア大会U18代表には選ばれることなく、壮行試合の対戦相手だった宮崎県選抜の投手として5回1/3を投げ、9奪三振という快投を見せました。それでも対戦相手だった小園海斗や根尾昂、藤原恭大らがドラフト1位指名だったのに対し、ジャイアンツの6位だった戸郷は全体で70番目の指名でした。
例えば根尾の契約金は1億円で年俸1500万円。一方、戸郷は契約金3000万円で年俸500万円でした。その差は評価の差であり、むしろ意識しない方がプロの競技者らしくありません。
「ドラフト6位で入ってチャンスが少ない中で、チャンスをものにすることを考えた。自分の投球をしないと、いい部分を見てもらえない。ドラフト1位ではないので、そういう気持ちが大切だと思って投げています」
プロ入りしてからは、ドラフトの順位など関係ないと言いますが、現実にはやはりドラフト上位選手の方がチャンスは多いと思います。しかし戸郷はU18代表戦で見せたように、下剋上をしてみせる気概と強さで、同世代で一番出世を果たしました。
【名言語録その2】
「打球が転がると何かが起きる。だから三振へのこだわりはある」
2022年シーズンには最多奪三振のタイトルを獲得した戸郷。スリークォーター気味の角度から、アーム投法で投じられるボールはタイミングが取りづらく、高い奪三振率を誇ります。小学生の時から母親が止めるのも聞かずに、近くの川で流れに逆らって泳ぎ続けるトレーニングで肩を鍛えた結果なのかもしれません。
しかしその反作用のようにコントロールに課題があり、それが2年連続で9勝で終わり、二桁勝利に手が届かない原因のひとつでした。
それを克服するアドバイスをしたのがコーチの桑田真澄です。桑田は10球を3セット、テンポよく投げる練習をさせ、ストライクを続けるリズムを覚えさせ、「悪い球がいったら、どういうふうに修正していけばいいか。良い珠がいった時の感覚を思い出すように」と指導しました。戸郷は桑田と取り組んださまざまな練習やアドバイスのおかげで、二桁勝利をあげられたと話しています。
ピンチではより球速を出そうとしたり、フォークを落とそうと意識しすぎていたのをやめ、リラックスした心で、もし打者に粘られたとしても、粘り返す気持ちでの投球ができたという戸郷。その三振へのこだわりと粘りのピッチングの組み合わせは、きっとWBCでも輝くことでしょう。
【名言語録その3】
「いつかはという気持ちでは取り組んでいましたが、まったく想像できませんでした。今回このようなチャンスをいただいたので必ずモノにしたいです」
WBCの侍JAPANメンバーに選出された時の言葉です。戸郷がプロに注目されるようになったのは、やはり日本代表の舞台でした。その時はU18であり、しかも壮行試合の相手としてでした。その時の力投がなければドラフト指名はなかっただろうと思います。その意味で戸郷にとって日本代表のユニフォームには特別な思いがあることでしょう。
戸郷には巡って来たチャンスを生かす才能があるようです。U18との対戦もそうですが、プロ2年目にして先発ローテーション入りしたのは、原辰徳監督いわく「坂本を攻撃的2番打者として起用して成功した」ことを受け「投手陣でも同じように新しことをやる」という思惑で、シーズン序盤だから試せるものでした。戸郷は見事にそのチャンスを生かしたのです。WBC前のキャンプでも合流したダルビッシュ有にいろいろ質問している姿を見ると、これもひとつのチャンスとして更なるステップアップをしてくれる予感がします。
自然あふれる環境で育ち、釣りが大好きで、オフには高校時代の友人たちと釣りに行くのが楽しみだという戸郷。WBCでは優勝という大物を釣り上げる原動力になってくれそうです。
名言からの学び
・プロは下剋上の舞台でもある
・的確なアドバイスが人を成長させる
・チャンスを生かすのが本物の証明である
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