クリス・ジョンソンの凄さが分かる名言・語録集!沢村賞投手の伝説エピソードから努力論まで
日本プロ野球でそのシーズンに最も活躍した先発投手に贈られる沢村賞。過去の受賞者はいずれもプロ野球史に残る名投手ばかりですが、特に1989年よりセリーグ投手だけでなく、パリーグ投手も選考対象となったことで、より重みを増しました。その沢村賞受賞者で外国人投手は過去に2名しかおらず、そのひとりがクリス・ジョンソンです。
沢村賞はメジャーリーグのサイヤング賞より歴史が古く、登板数25試合、完投数10試合、15勝、勝率6割、200投球回、150奪三振、防御率2.50、などの項目が基準とされ、かなり高いハードルが課せられていて、その年度におけるナンバーワン投手の証明です。
父方の祖母が日本人で、日系のクォーターであるジョンソンですが、メジャーリーグでは1勝もあげられませんでした。しかし、そのルーツのひとつである日本で野球選手として花開き、広島カープの左腕エースとして活躍しました。
今回は祖母の母国で活躍し、沢村賞も受賞したクリス・ジョンソンの凄さが分かる名言や語録を紐解き、その伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
クリス・ジョンソンについて
まずはクリス・ジョンソンの経歴を追ってみます。
1984年10月14日生まれ、アメリカ合衆国カルフォルニア州ウエストコビーナ出身。ブルースプリングス高校を卒業し、2003年にはドラフト50巡目全体1475位でアナハイム・エンジェルス(現ロサンジェルス・エンジェルス)に指名されますが、ウィチタ州立大学へ進学。2006年にボストン・レッドソックスに全体40位でドラフト指名され入団。
ルーキーリーグから2A、3Aと上がりますが、メジャーリーガーにはなれないまま2011年に戦力外となり、独立リーグへと移ります。2011年オフにピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約に至り、2013年にメジャーリーグデビュー。オフにミネソタ・ツインズに移籍しますが、2014年シーズン後にFAとなり、広島東洋カープに入団します。
2015年、巧みな投球でゴロを打たせる見事なピッチングを披露し、防御率1.85を記録して最優秀防御率のタイトルを獲得します。2016年は開幕投手となり、左のエースとして勝利に導き、チームにとって25年ぶりとなるリーグ優勝に貢献して、自身も沢村賞を獲得します。2017年は2年連続で開幕投手に選ばれましたが、度重なる病気や怪我に見舞われ、一桁勝利に終わります。2018年には復調し、二桁勝利をあげ、翌年も2年連続で二桁の勝利数を重ねます。
2020年、コロナ禍での調整不足もあり、開幕から7連敗を喫し、この年をもってカープを退団。2021年8月には引退を発表。
日本プロ野球通算6年間で57勝、防御率2.76。沢村賞1回、最優秀防御率1回。
通算57勝はカープの外国人投手としては最多記録です。
私が選ぶ、クリス・ジョンソンの凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「This is Japan」
「これが日本のやり方」といったニュアンスで使われています。これは広島カープで40勝をあげたブライアン・バリントンが言いはじめ、その後はデニス・サファテやキャム・ミコライオなどカープに在籍した外国人投手に受け継がれてきた言葉です。
日米の野球の違いはいろいろと言われていますし、視点のぶんだけ見方があるのだろうと思います。ただ間違いなく言えることは、野球に限らず、どんなものでも国や地域によって違いが生まれるということです。
「郷に入っては郷に従え」というのは当たり前のことのようですが、経験を積んでいる事柄については、その当たり前が案外難しかったりします。しかも野球はアメリカが本場であるという自負がアメリカ人には刷り込まれています。彼らに限らず「常識」を変えるというのは、簡単ではありません。
カープに来る外国人は「日本のやり方」を受け入れる柔軟さがあるようです。その点を重視したスカウティングの結果でもありますが、日本で成功の鍵をしっかりとつかみ取ったのは、ジョンソン自身が先達の言葉を受け入れたからでしょう。
【名言語録その2】
「もしかしたらアメリカの方にも連れて帰るかもしれないです」
ジョンソンがアメリカに連れて帰りたがったのは、バッテリーを組んでいた捕手の石原慶幸です。日本で50勝目をあげた時、ジョンソンは「この50勝は石原の50勝だとも思います」と感謝し、絶大な信頼を寄せていました。
ジョンソンの特長について石原は「全部の球種でストライクが取れるし、全部の球種が決め球になる」と話しています。石原にとってはリードしがいのある投手だったでしょうし、「イシ(石原)がサインを出すときに、このサインが欲しいと思うとそれが出る」というほど、ジョンソンにとっても投げやすい捕手でした。
「僕が一番大切に思っているのは安定感」という彼の持ち味を、石原がもっとも引き出した結果なのでしょう。石原のリードならばメジャーリーグでも通用するという思いが「連れて帰る」というジョークには含まれている筈です。
事実、最優秀防御率に輝き、メジャー復帰も噂されましたこともありました。しかしジョンソンは「妻も私もカープと広島の街を愛している」と語って残留しました。
ジョンソンの成功は、ここでも自分の考えに固執せず、石原のリードを受け入れたことです。誰かの考えを受け入れるということは、結果的に自分の持っている引き出しを増やすことにも繋がります。ひとつの技術にこだわり続けるのも大事なことですが、ブレイクスルーを望むならば変化を受け入れることも必要だと思います。
【名言語録その3】
「自分の能力以上のことを出そうと思っても、それは可能ではありません。ですので、自分が出来ることを100%に近い形で出すということをいつも意識しています」
人はここぞという時に自分が一度も出したことのない力を求めてしまいがちです。しかしそんなに都合よく奇跡は起こりません。だからこそ仕事や学びの多くはアベレージを求められるのです。ジョンソンはそのことをよく理解していたようです。
抜群の安定感で沢村賞を受賞したジョンソンですが、アメリカの地元に届けられた記念のトロフィーは、運送途中の不手際で見事なまでに壊れていたそうです。彼に支払われた保険金は200ドルだけでした。
「沢村賞を獲るのは簡単なことではありません。だからこそ、受賞したときは本当に嬉しかった。それなのに、すごく悲しい気持ちになりました」
それを見かねたジョンソンの父ラリーは、腕の良い職人を探し、秘かにトロフィーを修理して、ジョンソンに贈ったそうです。間違いなく最高の贈り物だった筈です。自分にできる100%のことをするのは、そんな父親譲りの精神なのかもしれません。
名言からの学び
・自分の常識にとらわれない
・必要な変化は受け入れる
・自分にできる100%を目指す
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