阿部慎之助さんは「慎之助」の愛称で親しまれ、お立ち台での「最高です！」のフレーズでファンを虜にしてきた巨人史上最高の捕手です。

守りを重視し８番を打つ捕手が多い中、打撃力を武器に読売ジャイアンツの第72代４番打者を務め、主将としても長らくチームを引っ張り数々のタイトルを獲得しました。

プロ野球史上49人目の2,000本安打の達成やON（王貞治さん、長嶋茂雄さん）に次ぐ13本のサヨナラ打など記録と記憶に残る活躍を見せてくれました。

2019年シーズンを最後に引退しましたが、今回はそんな阿部さんの年俸推移や生涯年俸総額から、選手としての特徴や性格が分かるエピソードまでをまとめました。

阿部慎之助さんのプロフィールや選手としての特徴

早速ですが、阿部慎之助さんのプロフィールを確認していきましょう。

職業：元プロ野球選手・読売ジャイアンツ２軍監督
生年月日：1979年3月20日
身長：180cm
出身：千葉県
最終学歴：中央大学
血液型：A型

1979年（昭和54年）3月20日生まれ、千葉県能東葛飾郡浦安町（現・浦安市）出身。安田学園高校、中央大学を経て、2000年のドラフト会議で逆指名によりドラフト１位で読売ジャイアンツに入団しました。

プロ１年目の01年、開幕戦で新人捕手としては球団史上23年ぶりとなるスタメンに抜擢され、プロ初打席でいきなりタイムリー二塁打を放つなど４打点を記録しました。4月には初本塁打を放ち、シーズン13本塁打を記録し、新人捕手の２桁本塁打は２人目の快挙でした。

翌02年以降も開幕戦からスタメンで出場し、11年は右ふくらはぎの負傷でスタメンを譲りましたが、捕手としては14年まで開幕スタメンを続けました。15年と17年は一塁手として出場し、計16回開幕スタメンに名を連ねました。

2019年シーズン限りで引退をしましたが、19年の現役生活で日本シリーズMVP１回、セリーグMVP１回、首位打者１回、打点王１回、ベストナイン９回を獲得し、ゴールデングラブ賞にも４回輝くなど攻守両面でチームを牽引しました。

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阿部慎之助さんの年俸推移と生涯年収総額は？

つづいて、阿部さんの年俸推移と生涯年収総額を成績と一緒に見ていきましょう。

1300万円でスタートした年俸は、ベストナインとゴールデングラブ賞を同時受賞して、原監督の就任１年目での日本一に貢献した02年オフには7800万円になりました。03年オフに年俸は僅かに下がりますが、下がった年俸となった04年は打率.301、78打点、本塁打は球団史上捕手としては初となる30本塁打以上（33本塁打）を記録し、オフの契約更改では１億円の大台を突破しました。

07年オフには２億円、09年オフには３億円、44本塁打を放った10年オフには４億円を突破して大打者への道を駆け上がっていきました。そして首位打者と打点王の二冠に輝いた12年オフには5億7000万円となりました。この年は打率.340、27本塁打、104打点と打ちまくり、主将としてチームを優勝に導きセリーグMVPにも輝きました。

翌13年オフの６億円をピークに、現役最終年となった2019年シーズンまでは下降を続けました。14年は試合中に首を痛め捕手としての出場は難しい状況になり一塁手へ転向し、15年は一塁手登録でシーズンをスタートしました。

チーム事情で開幕してすぐに捕手として出場しましたが、故障による離脱が相次ぎ、オフには減額制限に近い36%ダウンを受け入れました。16年から18年は一塁手と代打、交流戦期間中は指名打者として出場することが多くなり年俸も下がっていきましたが、17年には史上49人目の2,000本安打の達成と原監督の通算本塁打数382本を超えました。

そして19年、再び捕手登録に戻すも代打の切り札として活躍しました。6月には野村克也さん、田淵幸一さんに次ぐ史上３人目の捕手として通算400本塁打を達成し、東京ドームにアナウンスされる「代打・阿部」には毎回球場が震えるような大歓声が沸き起こりました。

打率.297、７本塁打、27打点の成績を残し20年も現役続行が有力視される中、チームの５年ぶりの優勝を置き土産に引退し、２軍監督に就任することとなりました。

生涯年俸総額の49億円と最高年俸６億円は、捕手として2,000安打を達成し、406本のアーチを描いた巨人史上最高の捕手にふさわしい金額であり、球団フロントが球界の顔、チームの顔として阿部さんを評価してきた証と言えるのではないでしょうか。

阿部慎之助さんの性格が分かるエピソードとは？

阿部さんは後輩に厳しい一面がありましたが、自らにも厳しい選手でした。

12年シーズン前の自主トレに参加予定だった大田泰示選手を一喝した結果、大田選手の髪型が丸刈りになり、17年シーズン前には小林誠司選手に檄を飛ばし小林選手も丸刈りになりました。また、12年の日本シリーズ第２戦では澤村拓一投手が牽制のサインを見落とすと、マウンドに向かい大観衆の前で澤村投手の頭を引っ叩き公開説教をしました。

主将として、チームの中心として後輩に厳しく接していましたが自らにも厳しいエピソードがあります。12年５月８日のDeNA戦の９回２死、捕球すれば試合終了だったフライを落球し３点リードを追いつかれて引き分けました。その後、自らを戒めるために落球の瞬間の写真を東京ドームのロッカーに貼り付けてシーズン最後まで戦いました。

マイナスの意識を引きずらないためにミスを忘れようとする方法もある中、あえて写真を貼り「ミスを取り返す」意識を持ち続けた阿部さん。

自身にも厳しい姿勢を周囲が見ているからこそ、厳しいことを言われても後輩たちは反発せずに慕っていたのではないでしょうか。

阿部慎之助さんのことが更に好きになる豆知識

数々の記録を残し巨人を長きに渡り牽引した阿部さんですが、外国人選手とのコミュニケーション能力に長けていました。

外国人選手がチームに溶け込みやいように07年から10年に在籍したオビスポ投手には岩尾通という日本名の愛称をつけ、14年に加入したアンダーソン選手も同じ愛称で呼び、融和を図りました。

また、12年に加入したマシソンさんは来日当初制球に苦しみ、紅白戦で味方選手の頭部に死球を当ててしまったこともありました。そこでバッテリーを組んでいた阿部さんがマウンドのマシソンさんに向かって「８の字」を書いて見せ、「力まずに８割の力で良いよ」とアドバイスを送っていたそうです。

その結果マシソンさんは８年間巨人でプレーをし、巨人史上最高の外国人リリーフと呼ばれる活躍に繋がりました。

「日本で成功したのは彼の存在が大きかった」と話したマシソンさん。阿部さんは引退会見で最後に受けたい投手としてマシソンさんの名前を挙げており、引退記念試合で実現しました。

国籍を超えた絆のバッテリー。そんな２人が同じ年に現役を引退することも、何かの縁なのかもしれません。

名言からの学び

・阿部慎之助さんの年俸は1300万円からスタートして最高年俸は６億円が最高、生涯年俸総額は49億円。

・捕手として打撃主要タイトルを獲得し、2,000本安打と400本塁打を達成した。

・後輩に厳しく接したが、自らにも厳しかった。

・外国人選手とのコミュニケーション能力に長け、活躍の手助けをした。

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