セリーグとパリーグの違いや由来は?ついでにどっちが人気か比較してみた
2019/10/26
「プロ野球はセ・リーグとパ・リーグの2リーグ制!」
というのはファンにとって当たり前のことですよね。しかし野球に詳しくない人からは「セ・リーグとパ・リーグってなに?」という疑問の声もよく聞きますよね。またファンであっても両リーグの由来や歴史は知らないという方も多いと思います。
今回はセリーグとパリーグの違いや由来、そしてどちらの方が人気があるのかを比較してみました。野球ファンでなくても興味深い内容になっていると思いますよ。
目次
セ・リーグ/パ・リーグの歴史や名前の由来は?
今では2リーグ制が当たり前になってるプロ野球ですが、元々「日本野球連盟」の1リーグ制で行われていました。
そして1949年11月の会議でいくつかの球団が新規参入を表明します。その中の一つが「毎日オリオンズ」(現・千葉ロッテマリーンズ)だったのですが、この球団の参入を巡り、意見が分かれ2リーグ制となりました。
この時に参入に反対をしたのが後のセ・リーグで、参入に賛成したのが後のパ・リーグになります。
仲違いが起き分裂して2リーグ制となりましたが、一方で元々メジャーのように12球団の2リーグ制にすることを日本野球連名は目標にはしていたようです。
次にセ・リーグ、パ・リーグがどういったものなのかお伝えしていきます。
セ・リーグについて
正式名称:セントラルリーグ
リーグ発足年:1950年
名前の由来:「正当な連盟であり主流なリーグ」という意味
最多優勝チーム:読売ジャイアンツ 37回
読売ジャイアンツ、大阪タイガース(現・阪神タイガース)、中日ドラゴンズ、松竹ロビンス、更に新規の大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)、広島カープ、西日本パイレーツが加盟して、計7球団で始まりました。本当は小田急電鉄も入れた8球団でのリーグ編成を計画していましたが、事情もあって実現しませんでした。
しかし小田急電鉄に代わって、国鉄スワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)が加盟したことで、結果として初年度から当初計画通り8球団体制になります。
ただ設立の翌年に、西日本パイレーツがパ・リーグの西鉄クリッパーズ(現・西武ライオンズ)と合併し脱退したため、8球団から7球団になってしまいます。
再び7球団になってしまったセ・リーグ。奇数の球団数では日程が組みづらいので、シーズンの勝率が3割を下回る球団には罰則を設けようということになりました。
その後1952年に、3割を下回った松竹ロビンスは親会社の経営難もあって大洋ホエールズと合併し、大洋松竹ロビンスが誕生します。結果として、1953年以降には現在と同じ6球団となりました。
紆余曲折を経て、6球団に落ち着いたんですね。
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パ・リーグについて
正式名称:パシフィックリーグ
リーグ発足年:1950年
名前の由来:「国際的な視野があるリーグ」という意味
最多優勝チーム:西武ライオンズ 22回
阪急ブレーブス(現・オリックスバファローズ)、南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)、東急フライヤーズ(現・北海道日本ハムファイターズ)、大映スターズ、更に新規の毎日オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)、西鉄クリッパース(現・西武ライオンズ)、近鉄パールスが加盟して発足したのがパ・リーグの始まりです。
上記のとおりパ・リーグは発足当時7球団でしたが、奇数球団では試合日程が組みにくいため、1954年から高橋ユニオンズが加盟し8球団となりました。しかし1957年には大映スターズと合併して大映ユニオンズとなり、こちらも再び7球団に戻ってしまいます。
ですが、1957年のシーズン終了後に大映ユニオンズが毎日オリオンズと合併したことで現在の6球団となりました。こちらも時期は違えど、紆余曲折を経てセ・リーグ同様に6球団に落ち着いたんですね。
しかし仲違いから今の2リーグ制が始まったというのは初耳の方にとっては驚きの話ですよね。続いて両リーグの違いについてみていきましょう!
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セ・リーグとパ・リーグの違い
両リーグの違いについていくつかご紹介しますね。
DH制の有無
DH(指名打者)制とは、投手の代わりに打席に立つ野手を加え、計9人ではなく計10人で試合をする野球です。
日本プロ野球では人気のセ・リーグと差別化を図るためメジャーリーグを見習い、パ・リーグが1975年からこのDH制を導入し始めました。これにより投手はピッチングに集中できますし、指名打者はバッティングだけに集中できます。
WBCでもDH制が導入されたように今ではこちらが主流となっていますが、セ・リーグは伝統を重んじて現在も導入はしていません。
予告先発の有無
パ・リーグでは前日に明日の先発投手を発表する予告先発制を1985年から取り入れています。これもDH制と同様、セ・リーグとの差別化を企図したものになります。
予告先発制については賛否両論あるようですね。
ファン目線で書かせて頂くと、次の日の先発投手を知ることができ、好きな投手か登板する試合が事前に分かることは嬉しいですよね。一方で、反対に投手も含めたオーダー予想をする事を楽しみにしているファンにとっては、予想が出来ないため若干面白くないかもしれません。
名将・野村監督は予告先発導入の反対派として有名ですね。理由としては、『相手の先発投手が誰になるかを予想して先発オーダーを組むのも野球の戦略だから』、ということみたいです。名将・野村監督がそう言うならそうなのかなと思ってしまいますよね笑
交流戦ではパ・リーグのホームゲームでは予告先発をすることがあり、この時はセ・リーグの先発投手も前日に知ることができますから、注目してみてくださいね。
実力の差
セ・パ交流戦では毎年のようにパ・リーグが勝ち越しています。
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パ・リーグはリーグが出来た当時人気がなく選手たちはプレイを磨くことのみに集中していたので、元々いい選手が育つ環境があったと言われています。
それに加えDH制があるので投手、野手はそれぞれの役割に磨きをかけることができたということもあったのでしょう。中でも投手陣は松坂選手、岩隈選手、ダルビッシュ選手、田中選手などメジャーで大活躍する選手が沢山輩出されていますよね。
やはり近年の交流戦の実績をみても、実力はパ・リーグの方が上であると言えるかもしれませんね。
ちなみにどっちの方が人気なの?
「人気のセ」その始まり
実力がパ・リーグなら「人気のセ・リーグ」なんて良く言われますよね。
実際観客動員、グッズの種類から言ってもセ・リーグの方が上回っています。2019年の入場者数をみてみても、セ・リーグ14,867,071人、パリーグ・11,669,891人とセリーグの方が多いですね。
そもそもなぜそうなったかというと、昔はプロ野球放映のほとんどが読売新聞のつてもあって巨人戦ばかりだったからです。
そこで「野球といえば巨人、巨人のいるセ・リーグ」というイメージがついたことに加えて、人口の多い東京にセ・リーグが2チーム(巨人とヤクルト)もあったからではないかと言われています。長嶋選手、王選手らスター選手を沢山輩出していたことも人気を更に大きくさせましたね。
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人気大低迷のパの企業努力
パ・リーグはというと、企業アピールのためのチームでテレビ放映もほとんどありませんでした。それに輪をかけ八百長疑惑などのスキャンダルも重なり、一時人気は大きく低迷しました。球場はがらがら。閑古鳥が鳴いていました。
その状況を打破する為、セ・リーグとの差別化を図り人気回復の努力を重ねました。次にパ・リーグの人気回復のための努力について解説していきますね。
近年の人気は?やっぱりセ!
近年ではパ・リーグが人気上昇中です。パ・リーグは地元ファンを集めるため、お客さんを楽しませる企業努力を沢山重ねることで今では地域に根付いた球団も非常に多くなりました。
球団は今年もまた、東北6県、約7万人の新小学1年生全員に“イーグルス・キャップ”をプレゼントする。6県1942校(国公立、支援、養護を含む)全てにである。
引用元:http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20170412/bbl1704121700005-n1.htm
上記は楽天の活動ですが、なんと新小学1年生全員にキャップをプレゼントしているそうです。これは太っ腹ですよね。
最近では3.11で被災した東北の為に、楽天がチーム一丸となって優勝を決めたことが記憶に新しいですね。こういった球団のスタイルがそれまで圧倒的に多かった巨人ファンを中心とした既存ファンを取り込むことに成功し、パ・リーグ人気は復活してきました。
とは言っても巨人人気は健在ですし、近年は「カープ女子」、「神ってる」が流行語にもなった広島カープも大人気です。まだまだ観客動員数を見ても、人気はセ・リーグのほうが上と言えるかもしれません。
伝統を重んじるセ・リーグと新しい事をどんどん始めていくパ・リーグ。どちらも素晴らしいプレ-でファンを楽しませてくれます。交流戦や日本シリーズではそんな両リーグが対決する試合が見れますので注目したいですね。
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まとめ
・元々は1リーグ制だったが新規参入球団への意見の違いで2リーグに分裂した。
・セ・リーグとパ・リーグの主な違いはDH制と予告先発があるかないかである。
・観客動員などを踏まえた人気はセ・リーグだが、近年パ・リーグの様々な企業努力によってパ・リーグ人気が上昇している。
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