吉田正尚の凄さが分かる名言・語録集!小柄な天才和製大砲の伝説エピソードから努力論まで
強靭な身体を必要とするプロ野球選手。当然ながら筋肉自慢もたくさんいます。ベテランの松井稼頭央や糸井嘉男は、年齢を感じさせない筋肉を見せてくれますし、大谷翔平も脱ぐとすごい身体です。身長が173センチと小柄ながら、マッチョ動画なるものを作り、なんとダンベルの形をした応援グッズまで出来たのが、吉田正尚です。
小柄な選手はアマチュアでも、足や小技を求められることが多い野球界で、反骨の男である吉田はフルスイングの豪快な打撃で、飛距離を追い求め、今やリーグのみならず、日本を代表する強打者として注目されています。
フルスイングゆえに、たびたび反動による故障もありますが、ハンマー投げの五輪金メダリストである室伏広治に指導を仰ぐなど、積極的にさまざまな手法を学び、遠くまで飛ばすという自分の理想を曲げずに、それに耐えうる身体を追い求めています。
今回はマッチョマン吉田正尚の凄さが分かる名言や語録を紐解き、小柄な天才和製大砲の伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
吉田正尚について
まずは吉田正尚の経歴を追ってみます。
1993年7月15日生まれ、福井県福井市出身。敦賀気比高校では1年生の時に春の選抜大会、2年生の時に夏の選手権大会と、2度甲子園に出場。卒業後は青山学院大学に進学。東都リーグでベストナインに選ばれるなど活躍し、各種国際大会でも日本代表に選ばれます。2015年のドラフトでオリックスバファローズから1位指名を受けて入団します。
ルーキーイヤーは開幕1軍入りを果たし、開幕試合にスタメンで出場します。その後、故障もあり、出場試合数は限られましたが、シーズン10本の本塁打を記録し、その長打力の片鱗を見せつけます。翌年もフルスイングゆえに故障がちで規定打席には達しなかったものの、2年連続で2桁本塁打をマークします。
2018年、故障しない身体を意識して、ついにレギュラーを獲得。初の規定打席に達して打率も3割を越え、26本塁打と本領を発揮し始めます。2019年にはシーズン終盤まで首位打者争いを繰り広げ、惜しくも2位に終わりますが、29本塁打も記録し、オールスターでは全パリーグの3番、プレミア12でも日本代表に選出されるなど、更に飛躍の年となりました。
2019年シーズン終了時点で、プロ通算4年で、471安打、77本塁打、打率.315。ベストナイン2回。
打率と長打を残せる強打者として、バファローズファン希望の星になっていますし、すべてのプロ野球ファンが注目する選手です。
私が選ぶ、吉田正尚の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「自分は大きい体でやったことがないんで、なんとも言えませんけど(笑)。ただタイミングスピードを上げて、ムダな力をはぶいて、インパクトの瞬間に全部の力を預ける、ということですかね」
小さな身体で長打を飛ばずことについて、吉田の独特の表現が感じられる言葉です。他にも理想の打球についても独特の表現をしています。
「打ちだしでドンッ、そこからドン、ドンッ、上空で更にドンッともうひと伸び、そんな打球が理想です」
173センチという、現在の成人男性の平均とそう変わらない身長で、そんなイメージの打球が打てるというのは驚異的です。
どうしても身体の小さいものは、機動力を重視するスタイルを求められがちな野球界。しかし通算567本塁打という史上3位の記録を持つ門田博光は170センチですし、本塁打王に5度輝いた中西太は174センチ、同じく本塁打王に3度輝いた長池徳士、史上2位となる657本塁打の野村克也も175センチです。
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時代の違いはあるとはいえ、トレーニング方法などの進化もありますし、小さければ長距離打者にはなれないというイメージは、競技者の選択肢や可能性を狭める結果になると思います。特にプロのスカウトは身体能力で将来性を判断する傾向があり、メガネをかけた捕手を嫌がって古田敦也がドラフトから漏れたというケースは有名です。
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吉田の恩師である敦賀気比高校の林博美監督は、高校時代の吉田について「プロはなんで獲らんのかなと、思いましたよ。身長がどうとか、肩がどうとか」と話しており、やはり吉田の身体能力がマイナス評価につながったことを嘆いています。
しかし古田も吉田も反骨心でもって、身体的に不利とされる部分を克服し、結果を残していることはプレイヤーの可能性を拡げるものですし、野球競技者のすそ野を広げるものにもなると思います。
【名言語録その2】
「自分の時間になる、みたいな感じですね」
ホームランを打つことについて尋ねられた吉田の答えです。球場でホームランを見ていると、誰もが目で打球を追い、ボールがスタンドに飛び込むまで、時間の速度が少し遅くなったかのように感じます。次の瞬間、観客の目と声はすべてダイヤモンドを1周する打者に向けられます。
チーム競技でもありながら、個人競技の要素もある野球というスポーツにおいて、ホームランは究極の個人技です。
「1人で1点取れるし、球場の雰囲気も変わる」
吉田もそう語るように、ホームランの威力は強烈です。投手からしてもホームランがない打者はそれほど怖くはないですし、やはりシーズン2桁以上の本塁打を放っている打者には慎重になります。
「ホームランっていうのは野球の華ですよね。相手チーム以外はみんな喜ぶことだと思います(笑)」
フルスイングをする吉田は、プロ入りしてたびたび故障に見舞われましたが、故障を避けてスイングを中途半端にするのではなく、しっかり鍛えることでスイングできる身体を作り、ホームラン打者であることを貫き続けています。
【名言語録その3】
「人のことは気にしません。自分のペースで行くだけです」
チームメイトからも超マイペースと言われている吉田。しかし練習のポイントは子どものころと変わらず、「振る体力」です。
「細かい技術を身につける前に、やっぱり振る体力が必要だと思います。子どもの頃は、形にこだわらずガムシャラに振っていましたね。回数は決めずに。回数を決めると、ただそれをこなすだけになってしまうので」
スポーツや芸術は、知識やイメージばかりで頭でっかちになっても、体が動かなければ意味がありません。何よりも同じことを繰り返しやれる体力と集中力が必要です。そして継続には強制よりも、自分のペースを守ることが重要です。吉田のマイペースさは続けるために必要な方法なのかもしれません。
「僕は8回、9回に代えられる選手なんでね。常に出るためにはそこが必要だと思っています。それにバッティングは言われなくてもやるんで、守備走塁は今、コーチにいろいろ細かいところを言ってもらっています。自分のためやと思って、謙虚に取り組んでいます」
打撃だけを考えれば、体力的にも守備固めの選手と交代するのは、悪いことではありません。しかし吉田はここでも「体力」にこだわっています。フル出場する「体力」が更にパワーアップした吉田を見せてくれるだろうと思います。
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名言からの学び
・身体的不利が、そのまま勝敗になるわけではない。
・自らの目指すものを貫くことが上手くなるコツである。
・マイペースは継続の栄養素になる。
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