若松勉監督の凄さがわかる名言!天才バッターの成績・記録から人生哲学にまで迫る!
プロ野球選手の平均身長は一般より10cmほど高く、およそ180cmほどです。そんな大男たちに混じって「小さな大打者」呼ばれたのが若松勉です。公称では168cmとなっていますが、実は本人が166cmだと語っています。
そのプロ野球選手としては恵まれたとはいえない体でヤクルトスワローズの中心打者として活躍し、チームの初優勝と日本一に貢献。首位打者争いの常連として、通算2173本もの安打を放ち、更に220本もの本塁打も記録しました。
引退後はスワローズの監督としても活躍し、2001年には日本一へと導きました。
名球会入りした選手の中ではもっとも背が低いながらも「ミスタースワローズ」とも呼ばれ、選手としても監督としても、チームを日本一にする原動力となった若松勉。その凄さがわかる名言を、天才バッターの成績や記録を紐解きながら、人生哲学にも迫ってみましょう。
若松勉について
まずは若松勉の経歴を追ってみます。
1947年4月17日生まれ、北海道留萌市出身。北海高校から電電北海道に就職。補強選手として都市対抗野球で活躍。1970年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。
中西太コーチの指導により、一年目より打力が開花し、左翼手レギュラーとなり、二年目には首位打者を獲得。その後も首位打者争い常連の巧打者として活躍する。
1978年にはチームを優勝に導き、セリーグMVPを獲得。日本シリーズでも本塁打を放つなどチームをけん引し、スワローズは初の日本一に輝く。
プロ通算19年で、2173安打を放ち、日本プロ野球歴代2位となる通算打率.31918(4000打席以上)を残しました。小柄ながら本塁打も220本打ち、盗塁151。MVP1回、首位打者2回、ダイヤモンドグラブ賞2回、ベストナイン9回を記録。
1999年からは7年間、ヤクルトスワローズの監督として指揮し、2001年にはチームを日本一に導きました。
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【名言その1】
「監督業とは我慢することと見つけたり」
若松監督当時のチームリーダーだった古田敦也は、後に監督について「野村(克也)監督は、この人についていけば大丈夫と思わせる監督。若松監督は、この人を胴上げしたいと思わせる監督」だと語っています。
つまり選手に愛される監督だったといえます。
その秘訣は「我慢」にあったようですが、それは若松自身が自分を指導してくれた監督から学んだことのようで、一年目に三原脩監督が左投手の時はベンチで、右投手の時に起用するという方法で、打率を残し、翌年も同様にして首位打者をとれたことで、自信をつけさせてもらった経験が背景にあるようです。
若松はそうやって三原監督が「我慢」して使ってくれた事を、自身が監督になっても忘れず、青木宣親や岩村明憲といった後のメジャーリーガーを育てるのにつながりました。
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【名言その2】
「選手の代わりというのは、必ず出てくるものですよ。それが活性化につながる」
絶対的クローザーだった高津臣吾がメジャーリーグに移籍し、チームの弱体化は避けられなかった時、五十嵐亮太や石井弘樹が台頭して、その穴を埋める活躍をした際の言葉です。
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野球に限らず、競争の激しい世界では、それまで戦力となっていた誰かが欠けても、次々に代わりが生まれてくるものです。
それは監督として2001年、日本一になった時も同じで、FAで川崎憲次郎が移籍して、戦力不足と見られていたものの藤井秀悟がエースに躍り出るなど、新たに台頭した戦力が活躍し、栄冠を勝ち取りました。
選手たちが切磋琢磨してさえいれば、多少我慢して起用するなら、チームは活性化し、良い方向に進むという信念が、まさに開花したといえるでしょう。
【名言その3】
「ファンの皆さま、本当にあの、おめでとうございます」
2001年、優勝した際の監督インタビューで発した名言です。ファンにおめでとうと言った監督はおそらく初めてでしょう。どこか、そのほのぼのとした感じが、プロ野球ファンの間でも話題になりました。
しかし現役時代の若松は、そのほのぼの感からは考えられない勝負強さを持った選手であり、通算のサヨナラ本塁打は、あの王貞治と並ぶ8本でプロ野球記録ですし、2試合連続代打サヨナラ本塁打も記録しています。
名球会で一番小柄で、シーズンに50三振を越えたことのない安打製造機ながら、ここという時には勝負を決められる力強さを持っていた若松だけに、監督としてなかなか優勝という結果を出せなかったのはもどかしかったでしょう。
そしてついに優勝し、ファンの気持ちを代弁するようなこの言葉は、「小さな大打者」がいかに現役の時からファンを大事にしていたかの証明だろうと思います。
名言からの学び
・我慢が人を育てる。
・競争社会では一時的なマイナスも次の活性化につながる。
・ファンへの祝福は、たくさんの感謝でもある。
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