宮城大弥の凄さが分かる名言・語録集!苦労人WBC代表投手の伝説エピソードから努力論まで
2023/06/25
貧困からの大逆転。世界でもっともそれを実現する可能性が高いのは、プロスポーツ選手になることではないでしょうか。日本でもプロ野球選手の10人に1人は年俸1億円プレーヤーであり、ジャパンドリームの体現者たちといえるでしょう。経済的に厳しい環境から、プロ入り4年めで1億円目前まで達し、WBC日本代表にも選ばれたのが宮城大弥です。
宮城の出身地である沖縄県は県民所得が低く、経済的に厳しい地域です。宮城も生活が苦しい中、貧乏を揶揄されたり、いじめにあったりしても、荒れることも弱音を吐くこともなく、ただひたすら野球に打ち込み、プロ入り後もすぐに結果を出して、オリックスバファローズのリーグ連覇に貢献し、今やリーグを代表する左腕となりました。
宮城が注目されるきっかけとなったのは、ダルビッシュ有が自らのSNSでまだ高校生だった宮城の投球フォームをほめたことからでした。WBCでは日本代表に選ばれ、そのダルビッシュとも練習を共にし、チェコ戦では好投を見せて、WBC優勝に貢献しました。
今回は苦労人宮城大弥の凄さが分かる名言や語録を紐解き、WBC代表投手の伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
宮城大弥について
まずは宮城大弥の経歴を追ってみます。
2001年8月25日生まれ、沖縄県宜野湾市出身。小学生の頃から常にレギュラーとして活躍する野球センスを見せ、中学生の時には宜野湾ポニーズに所属し、ポニーリーグのアジア太平洋地域選手権大会で準優勝。U15日本代表にも選出されます。高校は多くの強豪校から誘われますが、地元の興南高校に進学。1年と2年の時に夏の選手権大会で甲子園に出場します。2019年にはU18日本代表に選ばれ、U18ワールドカップで好投しました。
2019年のドラフト会議では1位の抽選を2度外したオリックスバファローズが、外れ外れ1位で指名。入団を決めます。ルーキーイヤーはウェスタンリーグ最多勝を獲得し、1軍でも初勝利をあげます。2年めとなる2021年には開幕ローテーション入りを果たし、12球団の投手最速で10勝目をあげ、オールスターにも選出。シーズン13勝を記録し、高卒2年めの先発投手としてはリーグ初となる新人王に輝き、チームのリーグ優勝に貢献。2022年も左のエースとして11勝をあげ、リーグ連覇を果たす軸のひとりとなり、チーム26年ぶりとなる日本一に大きく貢献しました。
2022年シーズン終了まで、通算3年間で25勝、防御率2.89。新人王。
2023年はWBC日本代表に選ばれ、力投を見せ、大きな戦力となっています。
私が選ぶ、宮城大弥の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「野球ができるならこのままでいい」
宮城の父親は交通事故で左腕に障害を負い、定職につくことができませんでした。6畳一間のアパートに父、母、妹と家族4人で暮らし。電気代を払えないこともしばしばで、ローソクを明かりにし、ガス代も払えず、冬にはポットのお湯で体を拭くだけということもあったそうです。
手に入れた最初のグローブは700円のビニール製。それを大事に抱えて眠っていたという宮城。ユニフォームもつぎはぎだらけで、チームメイトのおさがりをもらったりしていました。苦しい中から遠征費などを支払うと、他の保護者から「どこから盗んできた」と泥棒扱いされ、それでも活躍を見せる宮城に嫉妬した者が、学校の上靴をトイレで汚すなどのいじめもありました。
ある時、「このままでいいのか」と父親が尋ねると、宮城は「野球ができるならこのままでいい」と答えたそうです。
興南高校の我喜屋優監督は、宮城について「経済的には厳しい家庭だった。普通の子は家に帰れば何でもあるという環境だけど、宮城はそうではなかった」と言い、更に「欲しいものがなくても辛抱しながら弱音を吐かないというね。そういうことで子どもの頃から生活の中で強い精神力を養ったんだと思いますよ」と話しています。
父親曰く「私が大弥の立場だったら、家出してますよ」という環境の中、宮城はただひたすらに野球に打ち込み、サクセスストーリーをつかみ取ったのです。
【名言語録その2】
「気まぐれです」
2022年の日本シリーズ第7戦、中4日で神宮球場のマウンドに上った宮城。5回を無失点に抑え、チームの日本一を引き寄せました。記者会見でヤクルトスワローズの山田哲人、村上宗隆という日本を代表する強打者を完全に封じ込めたことについて聞かれると、「気まぐれです」と答えました。
明らかに「まぐれです」と答えるつもりで、言い間違えたのですが、宮城の人柄も感じられます。WBC日本代表の合宿では、同学年の佐々木朗希と仲が良く、いつもマイペースな佐々木に対して、ご飯の時間には迎えに行くなど「マネージャー的な存在」を自認しています。
「興南の宮城投手いいわぁ。投げ方、球筋、総合的に好きすぎる」と、かつてSNSで自分を高く評価してくれたダルビッシュとの初対面についても、二人は事前に作戦会議をし、考え抜いた末に、まず「プロテインは何味ですか」と話しかける予定でした。しかし佐々木がテレビでその作戦を話してしまったため、「もう一度、二人で色々考えたい」と宮城は苦笑いを浮かべていました。
同学年だということだけでなく、佐々木も東日本大震災で父親と祖父母を亡くし、家を津波に流されるなど、人には言えない苦労をしてきました。そんな苦労人の二人だけに、どこか通じ合うものがあるのかもしれません。
【名言語録その3】
「一生百練」
これは宮城の座右の銘です。日々、鍛錬を繰り返すことで、少しずつ強くなっていくという意味です。
高校の恩師我喜屋監督は「厳しい練習でも宮城が練習中に愚痴を言ったり不満げな表情を見せたことは全くなかった」と言い、小中学校のチームメイトはどんなに大雨が降っても、自宅から約5キロ先のグラウンドまで走っていく宮城の姿を見ています。
そんな鍛錬の結果、強打で知られる森友哉は「宮城の場合、まっすぐを待ってスライダーが打てないし、スライダーを待っててまっすぐも弾けない。他のピッチャーの場合は、まっすぐタイミングで変化球対応というのは、なんとなくはできるんですけど」という投手に成長しました。
家賃2万8千円のアパートに住んでいた宮城は、プロ入りの契約金から約2000万円を出身小中学校、野球チーム、宜野湾市などに寄付し、更には貧困家庭を救うための宮城大弥基金も設立。子どもの頃、母親に「プロに入ったら普通の人より給料が高いと聞いたんだ。母さんにもスイカを買ってあげられるよ」と話していたそうです。今では家族をWBC世界一のマウンドに招き入れるなど、たくさんの恩返しができるまでに成長しました。
しかし今はまだ成長と鍛錬の途中であり、WBCで見せた好投もまだまだ通過点。これから更に日本の球史を代表する左腕へと上り詰めてくれそうです。
名言からの学び
・環境を言い訳にしてはならない
・苦労を知る者は同様の者を理解する
・苦労を知るから優しくなれる
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