前田健太の凄さが分かる名言・語録集!天才メジャーリーガーの伝説エピソードから努力論まで
かつて多くのプ野球選手を輩出し、高校野球の名門として知られたPL学園高校。古くは加藤秀司、新井宏昌、尾花高夫、吉村禎章、小早川毅彦などがおり、KKコンビこと桑田真澄と清原和博、立浪和義、野村弘、片岡篤史、松井稼頭央、宮本慎也、今岡誠、福留孝介など、数々の名選手を世へ送り出しています。残念ながら2016年に休部となりましたが、卒業生で今もっとも輝いているのが前田健太です。
前田はいわゆる「ハンカチ世代」ですが、投手としては田中将大と共に世代のトップランナーとしてメジャーリーグでも活躍中です。小気味がいい投球と抜群のフィールディング、そして時には高校時代に27本塁打を放った力強いバッティングでも周囲を驚かせています。
メジャーで長く活躍する日本人選手が減っている中、ロサンジェルスドジャースから先発陣が弱いミネソタツインズに移籍し、より一層の活躍が期待されている前田。
今回は前田健太の凄さが分かる名言や語録を紐解き、天才メジャーリーガーの伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
前田健太のプロフィール詳細
まずは前田健太の経歴を追ってみます。
1988年4月11日生まれ、大阪府泉北郡忠岡町出身。ボーイズリーグ時代には田中将大や坂本勇人らと何度も対戦していました。PL学園高校に進学すると、1年生でベンチ入りを果たし、夏の選手権大会で甲子園に出場。その後は平田良助や中田翔を擁する大阪桐蔭高校としのぎを削り、3年生の時に春の選抜大会に出場します。
2006年の高校生ドラフト1位で、広島東洋カープに入団。ルーキーイヤーは2軍で鍛え上げられ、引退したエース佐々岡真司から背番号18を譲られた2008年にプロ初勝利を飾り、9勝をマークします。2009年には好投しながらも負けが先行しましたが、シーズンを通して先発ローテーションを守り続け、更に飛躍する糧となります。
2010年には最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振を記録し、沢村賞を受賞。そこからメジャーリーグ移籍後の2017年まで、前田は8年連続で2桁勝利をあげ、セリーグを代表する投手に成長します。
また2010年から2012年まで3年連続で200イニング以上を投げるというタフさを見せ、2012年には横浜DeNAベイスターズを相手にノーヒットノーランを記録。オフにはWBC日本代表としても活躍します。
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その後もカープのエースとしてチームを支え、2015年には2度目の沢村賞を受賞し、オフにはポスティング制度を利用してメジャーリーグに移籍を表明。ロサンジェルスドジャースと契約を結びます。
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2016年は1年目ながら16勝をあげ、チームの地区優勝に貢献。2017年には29年ぶりのリーグ優勝に貢献し、ワールドシリーズに進出。救援として大車輪の活躍を見せました。2018年もワールドシリーズまで駒を進め、やはり救援として奮闘しますが、またも敗れ、オフにはトレードによりミネソタツインズへの移籍が決まりました。
日本プロ野球に通算9年在籍し、97勝、1233奪三振、防御率2.39。沢村賞2回、最多勝利2回、最優秀防御率3回、最多奪三振2回、ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞5回。メジャーリーグ通算4年で、47勝、防御率3.87。
私が選ぶ、前田健太の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「ちゃらんぽらんにやって勝っても、チームのみんなから認めてもらえない。それじゃ寂しいじゃないですか」
プロ野球で背番号18番がエースナンバーと言われるようになったのには諸説あるようですが、プロ野球黎明期の大投手で「七色の変化球」若林忠志、シーズン19完封の野口二郎、ジャイアンツで戦前戦後と活躍した中尾碵志らが18番をつけていたこと、ジャイアンツの藤田元司がその中尾からエースナンバーとして18番を譲られたからだ、などと言われています。
近年だと松坂大輔、桑田真澄、三浦大輔、田中将大、菅野智之ら、まさにエースにふさわしい投手がつけており、前田もカープに入団した2年目から、ドジャースやツインズでも、18番を背負っています。
もちろん18番以外のエースはたくさん存在します。しかし前田の場合には、佐々岡真司という先発でも抑えでもチームのために戦ったエースに、まだプロでひとつも勝利をあげていない状況で譲られたものでした。それは単に活躍を期待されたというだけではなく、エースとして成長するように託されたのだといえるでしょう。
佐々岡は背番号とスライダーの握りを前田に伝え、彼は高校時代にはフォームが安定しないので封印していたスライダーを磨き上げました。
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勝ち投手になっても、チームから認められない、つまり信頼されない投手にはなりたくないという前田の言葉からは、エースとしてあろうとする意思が感じられます。
ちなみにこの言葉はメジャーリーグ移籍後のものなので、前田はメジャーでもエースになろうとしているのでしょう。今後の活躍を期待させてくれる言葉です。
【名言語録その2】
「僕は最初からゼロに抑えることが目標です。正直、ここはヒットを打たれた方がいいって思うこともありますしね」
2012年に横浜DeNAベイスターズとの対戦でノーヒットノーランを記録した後に、インタビューで答えた言葉です。
前田にとってノーヒットノーランも、ゼロに抑えようとした副産物であり、「次の回、苦手なバッターから始まる方が嫌」な場合には、前の打者に「ヒットを打たれた方がいい」と思うこともあるそうです。
「野球はそんなに甘くない。常にいいものを探しながら、いい結果を出せるようにしていきたい」
後々「マエケン体操」や「マエケンダンス」と呼ばれる独特のウォーミングアップは、高校時代のトレーナーが開発したものだそうで、肘に負担がかからないよう、肩甲骨や脊柱をうまく動かすという意図があります。生みの親の荒木和樹さんによれば、それを全選手に教えたのですが、「続けたのは前田投手だけだった」そうです。
フォーム固めの投げ込みについて「オフで1、2ヶ月空いたくらいでフォームを忘れるとか、何百球を投げないと思い出せないような、やわなフォームはしていない」と一蹴する前田ですが、それで結果を残しているのは、論より証拠ということでしょう。
ゼロに抑え、いい結果を出すために、必要なものを取捨選択できる能力は、プロにとって重要なものだと思います。
【名言語録その3】
「毎年、厳しい世界にいるからこその発見がたくさんある。悔しいだけじゃなく、どうしたら良くなるんだろうと考えている時間が自分の成長につながる」
前田がメジャーにポスティング制度で移籍する際には、身体検査の段階で、投げ過ぎによる肩や肘のリスクから、契約内容を大幅に抑えられました。それでもメジャーの世界に飛び込み、見事一年目から活躍を果たしました。
ドジャースでは2年連続でワールドシリーズに出場しましたが、ワールドチャンピオンには届きませんでした。ポストシーズンは先発でなく救援としての登板であり、リリーフとしての適性を評価されるほどの活躍を見せますが、前田としてはやはり先発として投げたいようです。
2020年に移籍先に決まったミネソタツインズは、先発のコマ不足のため、前々から前田獲得を目指していたそうで、望まれての移籍となりました。打線の強いチームなので、前田の活躍次第ではワールドシリーズ進出も望めるでしょう。
「力勝負できるときは思い切って勝負する」
メジャーに移籍すると、向こうの投手のようにボールを動かそうとする選手が多いのですが、前田も最初はそう意識していたものの「最近なくなった」そうです。
「フォーシームがすごく大事になってきている」と話していますが、確かに2019年には回転のいいフォーシームで力押しするシーンも見られました。
上原浩治や斎藤隆など、メジャーでもフォーシームを有効に使った投手もいます。動くボール全盛期のメジャーだからこそ、フォーシームに差し込まれるのかもしれません。そうやって更に進化し続ける前田の活躍にこれからも期待しましょう。
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名言からの学び
・勝ち負けよりも信頼こそ、エースの証である。
・本物のプロは自らに必要なものと不必要なものを取捨選択できる。
・進化に決まりはない。
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