元木大介の凄さがわかる名言・語録集!天才バッターのリーダー論・コーチ力から人生哲学まで
高校生の頃はアイドルのような人気を誇る長距離砲で、プロ入り後はミスタージャイアンツ長嶋茂雄が「クセ者」と呼び、三度も三冠王を取った落合博満が松井秀喜以上の素質と評価した選手が元木大介です。
その打撃は長打もあり、逆方向への狙い打ちもあり、守備では内野の全ポジションを守り、外野手としても出場。隠し玉を成功させるなど、まさに「クセ者」ぶりを発揮。その明るいキャラクターと共に人気選手となりました。
引退後には野球解説者だけでなく、テレビタレントとしても活躍。2018年にはU12の野球世界大会で代表監督をつとめ、2019年からは古巣読売ジャイアンツの内野守備兼打撃コーチに就任しました。
今回は「クセ者」元木大介の凄さがわかる名言や語録から、天才バッターのリーダー論やコーチ力を紐解き、その人生哲学まで迫ります。
元木大介について
まずは元木大介の経歴を追ってみます。
1970年12月30日生まれ、大阪府豊中市出身。上宮高校に入学し3度の甲子園出場。甲子園で通算6本の本塁打を放ち、一躍アイドル並みの人気となり、注目されました。
1989年のドラフトで福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)に1位指名されますが、あくまでも読売ジャイアンツを希望し、野球留学することを決めます。
翌年のドラフトを待ち、晴れてジャイアンツの指名を受けて入団しました。元木のドラフト拒否は、江川卓の「空白の一日」や桑田真澄の密約疑惑などと共に、ドラフト制度を揺るがすものとなりました。
入団後は当初、主軸を打てる長打力を期待されましたが、シーズンで二桁の本塁打を記録することはなく、長嶋茂雄曰く「クセ者」として、巧みなバッティングとどこでも守れるユーティリティプレーヤーとして活躍。
現役生活14年間で、規定打席に達したのはわずかに2回ですが、オールスターゲームにも選ばれるなど、印象に残る活躍をしました。特に奇策中の奇策である「隠し玉」を二度も成功させており、他にもチームの紅白戦、更に高校時代に甲子園でも「隠し玉」を成功させているという、まさに「クセ者」ぶりをいかんなく発揮しました。
通算打率.262、通算安打891本、本塁打66本と、記録の面ではとびぬけた成績は残していませんが、まさに記憶に残る選手でした。
私が選ぶ、元木大介の凄さがわかる名言・語録
【名言・語録その1】
「ただ、辛かったですね」
1989年のドラフトでホークスの指名を受けた元木。子どもの頃は南海ホークスのファンだったものの、その頃はジャイアンツのファンになっていた彼は、ホークス入りを拒否。一年間、ハワイ留学し、翌年のドラフトでジャイアンツ入りしました。
ジャイアンツ以外の指名ならば拒否という姿勢から、ドラフト制度をないがしろにするものとして大きな批判を受けた時の心境について、上記のように語っています。
甲子園のスターでありながら、高校2年生の時は甲子園で「隠し玉」をやって、高校生らしくないと批判されるなど、やんちゃぶりを発揮し続けた元木ですが、落合博満は「巨人で一番素質があるバッターは元木。松井以上かもしれない。でもあいつは本当に練習しないんだ」と語っていました。
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「坊主にしたからといって強くなるわけじゃないですけどね」
最近では高校野球の特集でそう言ってのける元木も、さすがに十代ということもあり、ドラフトの際のバッシングはこたえたようです。
しかしプロ入り後は、外出禁止令が出ていても気分転換にと遊びに繰り出して週刊誌に抜かれるなど、再びやんちゃな元木に戻りますが、本人によればその時は、続けて打たれた後輩投手を元気づけるためだったとか。
【名言・語録その2】
「昔はみんな、自分たちの見せ方、特長をわかっていたよね。打線の中で何をすべきなのか、と。俺も自分がどういうプレーヤーなのかを理解して、それを全うしただけ。あんな30本も40本もホームランは打てない。アウトになっても走者を進めるぞとか、いい打者がそろう打線の中でこうした方がいいなとか考えてやっていた」
長嶋茂雄は元木について「理想はあいつをレギュラーで使わなくてもいいチームを作ることだ」と語っていました。野球は代打や代走、守備固めやワンポイントリリーフなど、選手交代を有効に使えるスポーツです。
チームとしての強さは、その総合力にあるといえます。元木は何かあった時に、最強の補完戦力だったといえます。
元木は足が速いわけではなく、決して守備範囲の広い選手ではありませんでした。しかし元来の器用さばかりでなく、自分に課せられた役割を考えて、ユーティリティープレーヤーとして開花したのです。
「レギュラーじゃない選手は、レギュラーと同じ気持ちじゃダメ。ユニフォームを脱いだら大変なんだから」
「みんな元木さんはテレビ出てるから稼いでるんでしょ、って思ってるかもしれないけど、あんたたちがヒット一本打つ方が高いよ、と言いたい」
そんなふうに冗談を交えて語る元木ですが、そこにはバイプレーヤーとしての思いが語られているように思います。
もし元木に落合博満の見立て通りの素質があり、ハードな練習をしていたとしても、松井のように活躍できたかどうかわからないのが、プロです。どうあれ自らの歩むべき方向性を見つけ、14年間プロであり続けた点で、元木はまさにプロフェッショナルだったといえます。
【名言・語録その3】
「お、こいつ何やるんだ、っていう選手が出てきてほしい。どういう状況でやればいいのかはセンスもあると思うし、なかなか教えてできるものじゃないかもしれないけれど、自分がよしやるぞと思った時には体が動いてないとね。だから周りをよく見なさいよと。ゲームの流れを読んで、その中で自分が何をすべきかなんだから」
2018年にカル・リプケンU12世界少年野球大会の日本代表監督に就任した元木の言葉です。
そもそもこの代表監督については、元木が東北楽天イーグルスの試合で星野仙一に挨拶へ行った際、お茶を飲もうと誘われて、その時に「監督をやらないか」と打診されたそうです。
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中日ドラゴンズの監督時代に、星野は「あいつは何をしてくるのか読めん」と元木を評価していました。残念ながら星野が急逝し、話は流れたと元木は思ったそうですが、その後に元木へ監督打診があったのだそうです。
「強いチームには活気がある。声を出さないチームは指示を待っている」
2019年にジャイアンツのコーチに就任した元木は、自ら大きな声を出し、活気を生み出そうとしている姿がキャンプから見られました。それによってチームがどう変わって行くのか、楽しみです。
名言からの学び
・リーダーは他人に共感する力を養うべき。
・チームでは自らの特長を理解させることが必要。
・リーダーは、周囲をよく見て、自ら動ける者を育てる。
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