赤星憲広の凄さがわかる名言・語録集!赤い彗星の努力論や人生哲学にも迫る!
圧倒的なスピードから、人呼んで「赤い彗星」。
そんな風に呼ばれたことがあるのは、機動戦士ガンダムに出てくるシャア・アズナブルと赤星憲広だけでしょう。
阪神タイガースで俊足攻守の外野手として活躍し、わずか9年間の現役生活ながら通算打率.295、通算安打1276本を放ち、通算盗塁381は2017年終了時点で、日本プロ野球歴代9位。5年連続の盗塁王はセリーグ記録です。
通算盗塁数は歴代9位ですが、通算596盗塁で歴代2位の広瀬叔功は2190試合、579盗塁で歴代3位の柴田勲は2208試合かかったのに対し、赤星はわずか1127試合です。もしヘルニアの発症がなければ、過去3人しか記録していない500盗塁も夢ではなかっただろうと思えます。
今回は早すぎる引退が惜しまれるスピードスター、赤星憲広氏の凄さがわかる名言・語録を集め、その努力論や人生哲学にも迫ってみましょう。
赤星憲広について
まずは赤星憲広の経歴を追ってみます。
1976年4月10日生まれ、愛知県刈谷市出身。愛知県立大府高校から亜細亜大学に進学、卒業後はJR東日本に入社。シドニーオリンピックの日本代表選手となり、2000年に阪神タイガースよりドラフト4位指名を受けて入団。
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プロとしては小柄な170センチの身長と非力さが、高校や大学を卒業後、ドラフトで敬遠される理由となりましたが、当時の監督であった名将野村克也が強力に後押しをしてドラフト指名となりました。野村氏の念頭には同じく小柄で168センチだった世界の盗塁王福本豊や、167センチで代走のスペシャリストだった近鉄の藤瀬史朗などの活躍がよぎっていたのでしょう。
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野村監督の指導もあり、足を生かすための打撃力が向上。一年目から盗塁王を獲得。以降、2005まで5年連続の盗塁王となります。
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2003年には守備機会の多いセンターで守備率10割を記録するなど、タイガースの18年ぶりの優勝に大きく貢献。
2005年、3年連続で打率3割、60盗塁以上を記録し、再びリーグ優勝。
しかし2007年に椎間板ヘルニアを発症。以降、だましだましプレーを続けますが、2009年9月の横浜ベイスターズ戦でダイビングキャッチを試み、脊髄を損傷。ヘルニアの悪化もあり、その年を限りに惜しまれつつ引退しました。
プロ9年間で新人王、盗塁王5回、ゴールデングローブ賞6回、ベストナイン2回。
300盗塁以上で盗塁成功率81.2%は歴代3位の記録を残しました。
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「この雰囲気に染まってはダメだと、自分を戒めていた」
入団してすぐ、赤星氏は当時のタイガースに失望したのだそうです。試合中盤で3点くらい差があると、ベンチの中は今日も負けという雰囲気になっていたからです。
当時の監督は名将野村克也。
しかし球団側は補強に積極的ではないし、ドラフトでも人気優先でポジションに関係なく、スター候補ばかり欲しがるという状況で、さすがの名将もお手上げの状態でした。
監督には強くなるためのビジョンが見えていたのでしょうが、選手はたるみきっていました。
そんな中、野村監督は反対を押し切って赤星氏を獲得します。
周囲の目は、赤星氏の非力さから、到底プロでは通用しないというものでしたが、野村監督の指導のもと、初年度から一軍に定着します。
もちろん野村氏の眼力と指導力はたいしたものですが、赤星氏が回りの雰囲気にのまれず努力した結果だといえます。
小さな体ですが、反骨心は強く、案外骨太な性格だというのがよくわかる言葉です。
「準備は当たり前のことですが、何事においても大切にしています」
イチロー選手は「準備とは言い訳を排除すること」といい、サッカーの本田圭佑選手は「勝負を決めるのは準備」というように、一流の選手は準備を大事にします。
赤星氏は盗塁についてこう語っています。
「盗塁で投手のクセを見抜けるかどうかは基本中の基本。クセがなければ走れない、というのでは勝負になりません。自分が一塁にいるとき、打席に誰が立っているか、さらに次の打者は誰か。それとイニングや点差などの組み合わせで、投手の配球は微妙に変わりますから、そうしたデータは極力頭に入れていました。一つ一つの盗塁は瞬間の判断ですが、それを支えているのはまさに日々の準備にほかなりません」
プロの技術は日々進化します。
赤星氏がプロ入りした頃は、投手のクイック技術がまだそれほど高くはなく、比較的楽に盗塁できたのが、徐々にそのスピードや技術が上がり、なかなか走れなくなったそうです。
同様のことを世界の盗塁王福本豊も言っています。
そういった中で結果を出し続けるには、相手を上回る準備が必要なのです。
更にもうひとつ、赤星氏はこう話しています。
「盗塁に何が必要か?『勇気』。これだけです」
たとえあらゆるデータを頭に入れて分析したとしても、最後に踏み切る勇気が結果を生みだします。赤星氏らしい気骨と覇気が伝わってきます。
「よくグラウンドで死ねたら本望というけど、本望とは思えない自分がいた」
2009年9月の対ベイスターズ戦でダイビングキャッチを試みた赤星氏。
その後は「両脚がまったく動かなかった」そうです。
重度のヘルニアにより、ダイビングキャッチなど危険なプレイは医者に禁止されていたそうで、それは選手生命どころかまさに命に係わることだと警告されていました。
それでもダイビングキャッチをしようと飛び込んだことに関して、赤星氏はこう語っています。
「あの打球に飛び込んだことを後悔していません。それよりもあの打球を取れなかったことに後悔が残る。もしも、もう一度あの場面に戻れるとしても、飛び込みたくはないけど、やっぱり僕は同じことをしていたでしょう」
プロである以上、最良のプレイを見せようとするのが当たり前な筈ですが、そうではない選手もいる中、赤星氏は常にベストプレーを求めていました。
結果的にそれが選手生命を縮めることとなり、生命の危険を考えて身を引きました。
本望ではないと言いながらも、プロ野球選手としてはグラウンドで死んだといえます。
【名言語録 番外編】
「お前はタイガースの男だ」
これは赤星氏の名言ではありません。星野仙一の言葉です。
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星野氏が東北楽天イーグルスの監督に就任した後、球場を訪れた赤星氏に「本当だったらお前を(コーチとして)呼びたいんだけどな。でも絶対にオレは呼べない。オレはそうしてはいけない。お前はタイガースの男だ」と伝えたそうです。
プロ野球ファンとしては別にタイガースでなくとも、そのユニフォーム姿を見たいと思うのですが、共にタイガースを優勝に導いた功労者として、互いに感じるものがあったのかもしれません。
実はチームメイトから「着火マン」と呼ばれたほど、意外に短気で武闘派の赤星氏。ヒーローインタビューで観客のヤジにに怒鳴ったり、ヤジったファンを警備員に「止めとけ」といって、逃げられると警備員に喰いかかったり、いくつもの武勇伝を残しています。
そんな熱いところが、星野氏と通じ合っていたのかもしれません。
名言からの学び
・周囲の雰囲気に流され、自分の価値まで下げてはならない。自分は自分のやるべきことをやる。
・日々、進歩する中で、努力は怠らない。そして最後は勇気をもって挑む。
・プロは常にベストを求めるべきだが、引き際は潔さも肝心。
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