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トライアウト・戦力外通告

トライアウトの合格できる確率は?歴代成功率の低さから考える厳しい現状について【プロ野球】

2017/10/08

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毎年行われるプロ野球12球団合同トライアウト、通称「トライアウト」ですが、毎年何十人もの選手が受験する中、再度NPBに復帰という成功を掴めるのはほんの一握りです。

今回はトライアウトで合格できる確率について、歴代の成功率から考えてみることにしましょう。厳しい現状や問題点についても触れてみたいと思います。参加される選手の方々には、是非理想のキャリアが築けるように頑張って欲しいですね。

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歴代成功者からトライアウト合格確率を算出してみた

現在のプロ野球合同トライアウトが実施されたのは2001年からです。

途中球界再編を経たり、トライアウトそのもののあり方も少しずつ変化してきていますが、ここでは歴代合格者数から、直近過去3年間(2014年~2016年)の参加者数の平均値を元に、合格確率を算出してみました。

年度 合格者数 合格確率
2001 1人 1%
2002 0人
2003 0人
2004 9人 15%
2005 2人 3%
2006 3人 5%
2007 7人 12%
2008 5人 8%
2009 1人 1%
2010 5人 8%
2011 7人 12%
2012 5人 8%
2013 4人 7%
2014 7人 12%
2015 3人 5%
2016 3人 5%

※合格確率は、直近過去3年間(2014年~2016年)の参加者数の平均値57人を用いて算出しています。

この表から言えることは、10人参加しても1人合格者が出るか出ないか、といった厳しいものだということですね。

しかも、合格者数の中には支配下登録ではなく育成契約の選手も含まれているため、現状はもっと厳しい確率であると言わざるを得ないでしょう。

 

なぜここまで成功率は低く、厳しいのか?

では、トライアウトを受験しても、なぜ合格者が殆ど出ないのでしょうか?その疑問について考えてみたいと思います。

1)戦力外になった選手でも他球団移籍が有望であればそのまま移籍出来るケースが多い

毎年戦力外になった選手でも、ファンとして「え?この選手が戦力外になってしまうのか」と疑問を抱かざるを得ない場合が存在しているのは確かです。

昨年の2016年の場合でいうと、前ヤクルトで活躍した田中浩康選手がその代表ではないでしょうか。田中選手の戦力外のニュースは特にヤクルトファンには大きな衝撃を与えました。他にも、ソフトバンクを戦力外となった細川亨捕手や、ロッテを戦力外になった大松尚逸選手など、有名な選手の戦力外通告も話題になりました。

ですが、まだ彼らのように実績もあり活躍出来る見込みがある選手の殆どは、トライアウトを経由することなく他球団に移籍が決まります

結果、細川捕手は楽天へ、大松選手はヤクルト、そして衝撃を与えた田中選手はDeNAで、それぞれ移籍しました。特に怪我人が続出したヤクルトにおける大松選手や、CS出場を決めた田中選手の新天地での活躍は言うまでもないものですよね。

それによって、戦力外になっても移籍先が見つかりそうな選手に関しては、トライアウトを受けなくても「合格」というわけになります。それが、トライアウトの合格率にも影響しているのではと思われます。

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2)戦力外選手の実力的な問題とトライアウトのテスト内容の薄さ

戦力外選手が第一次、そして日本シリーズ終了後の第二次と発表されると、外国人選手なども含めれば毎年100人前後の選手が戦力外、及び自由契約になっています。

前項で述べた参加者数の平均が57人程度と考えると、一度独立リーグへ所属し再びトライアウトを受験する元プロ野球選手を考えたとしても、約半数の戦力外通告を受けた選手がトライアウトを受験していることになります。

通常ですと、戦力外通告を受けた選手が「トライアウトを受験する」ということは、実績がなくそのままでは移籍先が見つからないから、という事で最後のラストチャンスとしてトライアウトに臨むと考えて良いでしょう。

更に、2015年からトライアウトは2日間から1日に減り、時間の問題からテスト内容は必ずしも濃いものとはいえません。実際トライアウトをクリアしても、声をかけられた球団の入団テストをまたクリアしなければ契約して貰えないケースも存在します。

殆ど実績が無い選手が、これだけのチャンスでまたNPBの復帰を掴むことは、本当に僅かであるという事が見えてくると思います。受験に挑む戦力外選手の実力的な問題と、トライアウトのテスト内容を考えると、どうしてもトライアウトという場所が、「引退の儀式」のようになってしまっているのが現状なのです。

トライアウトのルール!テスト内容や厳しい合格基準とは?【プロ野球】

 

まとめ

・トライアウトを受験して合格する確率は非常に低い。

・トライアウトの厳しさの裏にはそのテスト内容に疑問を抱かざるを得ない場合が多い。

 

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