ラミレス監督の凄さが分かる名言!名将とも呼ばれる手腕や人生哲学に迫る
2017/11/03
日常的にプロ野球ファンの間で話題になるテーマは多種多様ですが、その中の1つが「歴代最強助っ人は誰か?」ではないでしょうか。長いプロ野球の歴史において古今東西、数えきれないほどの人数の外国人選手が来日し、インパクトのある活躍で記憶に名を刻んでくれました(期待はずれの選手も多数いましたが…)。
もちろん、贔屓球団の助っ人について長く覚えているファンは多いと思いますし、「最強」というテーマで選出する際にも思い入れや肩入れはあるでしょうが、客観的に考えて絶対に外せない選手として挙げたいのは、現・横浜DeNA監督のアレックス・ラミレス氏。プロフィールについては後述しますが、打者としての圧倒的な実力と実績はもちろん、“ラミちゃん”の愛称で親しまれているように、高い実力と人気を兼ね備えた超一流の野球人と言えるでしょう。
今回は、そんなラミレス氏の名言を3つピックアップ。名将と呼ばれる手腕や人生哲学にアプローチしてみたいと思います。
アレックス・ラミレス氏について
それでは、まず、ラミレス氏の経歴についておさらいします。
1974年10月3日生まれ、ベネズエラ・首都地区ミランダ州カラカス出身。兄の影響で5歳から野球を始めました。18歳のときにクリーブランド・インディアンズとマイナー契約。1999年秋にメジャーデビューを果たし、翌年夏にピッツバーグ・パイレーツへ移籍。米国では顕著な実績は残せませんでしたが、2000年冬、ヤクルトスワローズに入団したときから輝かしいサクセス・ストーリーが始まりました。
日本球界1年目の2001年、いきなり打率.280、29本塁打、88打点の好成績をマーク。その後も毎年、安定した数字を残していきますが、2003年に獲得した本塁打王、打点王、最多安打、ベストナインのタイトルが大きな自信になり、自身のステータスをより高める契機になったようです。
2007年には外国人の右打者として史上初のシーズン200安打をマーク。読売ジャイアンツへ移籍した2008年からも打線の中核として常に存在感を放ち、チームのリーグ制覇や日本一に大きく貢献。そして、横浜DeNAへ移った2シーズン目の2013年には、外国人枠で入団した選手として初となる通算2000安打を達成しました。
2000本安打の歴代達成者まとめ!最速と最年少は誰でいつ?【プロ野球】
同年限りで横浜をあとにし、2014年から2シーズンはBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスに在籍。打撃コーチ兼選手、シニアディレクターとして活躍しました。
NPBの第一線で積み重ねてきたキャリアはもちろん、群馬での貴重な経験もまた、名将の道を歩むラミレス氏にとって大きな財産になったと思われます。
特選!私が選ぶ「アレックス・ラミレス氏の三大名言」
「いい結果を残すためにチームとのコミュニケーションが不可欠なのはビジネスでも同じですよね」
横浜DeNA監督に就任後、ラミレス氏が特に重視しているのがコミュニケーション。自らをダイレクトにサポートしてくれるコーチ陣はもちろん、選手や裏方のスタッフまで幅広く密な対話を心掛け、風通しのいいチーム作りを実現しました。
中畑清・前監督の時代から明るく伸び伸びとしたイメージが定着していた横浜DeNAですが、外国人監督に交代して少々身構えていたであろう特に若い選手たちにとっては、新たな上司の明朗快活なキャラクターや高いコミュニケーション能力は、大きな救いとなったはずです。
この名言はもちろん、私たちの職場においても参考にしたい内容です。何かとシビアな空気に支配されがちな現場で、コミュニケーションという手段がいかに大切か――。
個々の人間が委縮することなく、それぞれの才能・能力を余すことなく発揮するために、この上ない“潤滑油”としての役割を果たしてくれますから。
「メンタルが強いとは、自分に自信を持ちポジティブな気持ちでいられること。若い選手には『いつも同じでいなさい』とよくアドバイスしています」
ジャンルを問わずスポーツの世界では、“心技体”というキーワードがよく挙げられますが、その3つの要素の中でラミレス氏が特に重視しているのが“心”。「パフォーマンスの成否と結果を分けるのはフィジカルよりもメンタル」というニュアンスの言葉を目にしたこともあります。
しかも、この名言は、無闇やたらに強い気持ちを持つことが大事と言っているわけではありません。自信を持ってポジティブな気持ちでいることを「いつも同じでいること」と換言しています。これはすなわち、いつ何時でも平常心でいることを優先させているのではないかと。
もちろん、根拠のない自信は過信でしかありませんし、真の自信を体得するにはプロとしてやるべきこと――すなわち、不断の鍛錬が必要ですが、このような前向きな名言を耳にすれば誰しもモチベーションが上がり、自らを高めていくための努力を惜しむことはなくなるのではないでしょうか。名将と呼ばれる手腕の一端を感じ取れた思いです。
「組織の文化を丸ごと受け入れて、その組織にフィットするように自分を変えることが重要。どんな職業の人にも言えるのではないかと思います」
ラミレス氏が日本で成功を収めた最大の理由と、人生哲学の礎が、この名言に凝縮されていると思います。“郷に入れば郷に従え”という有名な言葉がありますが、歴史や文化、生活様式も全く異なる未知の国・日本に来日し、最初は右も左も分からなかったはずですが、柔軟な発想のもとで自分自身を変える努力をしたからこそ、確かなキャリアを築いていけたのでしょう。
日本語を覚えることはもちろん、日本食にも積極的にチャレンジしたラミレス氏。本業では、変化球が多種多様な日本の投手に対応するために、プルヒッターだった技術に幅を持たせ、センターから右方向へ打ち返すテクニックを体得したことも奏功したようです。
「どんな職業の人にも言えるのではないか」という締めの一言も身に沁みます。例えば部署異動や転勤などで環境が変わった際に不平不満や後ろ向きな口にしたとしても、何も進展はありません。そうではなく、新天地にフィットできるように自分自身を変えてみる。決して容易な作業ではありませんが、そのことによって人間力に磨きがかけられるとともに、新たな気づきや発見があると思います。
名言からの学び
・コミュニケーションを重視。コーチ陣はもちろん、選手や裏方のスタッフまで幅広く密な対話を心掛け、風通しのいいチーム作りを実現した。
・自信を持ってポジティブな気持ちでいることを「いつも同じでいること」と換言。平常心でいることの大切さが感じ取れる。
・新たな環境にフィットすべく自分自身を変えてみると、人間力に磨きがかけられるとともに新たな気づきや発見があるかもしれない。
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