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中村剛也の凄さが分かる名言・語録集!愛される天才ホームランアーチストの伝説エピソードから人生哲学まで


ホームランアーチストと表現されるバッターがいます。それはまさに「アーチ」のような放物線を描き、「アート」のように美しいホームランを放つバッターにのみ、使われる言葉です。古くは田淵幸一がそうでした。

現在、その表現がもっとも相応しいのは「おかわりくん」こと中村剛也でしょう。

好きな言葉が「おかわり」だった上に、まるで「おかわり」するように強烈なアーチを続けざまに放つ姿から「おかわりくん」と呼ばれるようになりましたが、2019年シーズンまでで通算6度の本塁打王獲得というのは、プロ野球史上3位の記録であり、彼の上にはもう王貞治と野村克也という偉大なレジェンドしかいません。

2016年までは規定打席に達したすべてのシーズンで本塁打王を獲得したその打撃は、まさにアーチストと呼ぶべきであり、プロ野球史上でも有数の才能だろうと思います。また体型のわりに走塁も上手く、守備でも柔らかい動きを見せ、アスリートとしての能力の高さも感じさせます。

今回は「おかわりくん」こと中村剛也の凄さが分かる名言や語録を紐解き、愛される天才ホームランアーチストの伝説エピソードから人生哲学にまで迫ります。

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中村剛也について

まずは中村剛也の経歴を追ってみます。

1983年8月15日生まれ、大阪府大東市出身。野球の強豪校である大阪桐蔭高校で2年生で4番を打ちますが、甲子園出場はありませんでした。高校通算83本塁打を記録し、2001年のドラフト2位で西武ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)に入団

2年目の2003年に1軍での初出場を果たし、初安打も放ちますが、主に2軍で鍛えられ、2005年に1軍に定着。22本塁打を記録します。その後、伸び悩みますが、2008年に大ブレイクし、46本塁打を放ち、本塁打王を獲得します。

2009年には通算100本塁打を記録し、48本塁打で2年連続本塁打王に輝き、打点王も獲得します。2010年は故障して規定打席に到達しませんでしたが、85試合で25本塁打を記録。続く2011年には「飛ばないホール」に苦しむ選手が多い中、断トツの48本塁打で再び本塁打王と打点王の2冠に輝きます。2012年も不調ながら本塁打王を獲得、続く2年は故障に悩まされ、出場機会を減らします。

2015年、通算300本塁打と1000本安打を同時に達成。8月には通算満塁本塁打を16本として、史上1位となり、本塁打王と打点王の2冠に花を添えました。

その後も故障に悩まされながらも、毎年コンスタントに30本近い本塁打を積み重ね、2017年に通算350号、2019年には通算400号を放ち、2018年には球団初の通算1000打点をあげ、チームの主軸として活躍を続けています。

2019年シーズン終了時点で通算18年間、1467安打、415本塁打、1166打点、打率.256。本塁打王6回、打点王4回、ベストナイン7回。通算満塁本塁打20本はプロ野球記録となっています。

その打撃に衰えは見られず、故障さえしなければ、史上9人目の500本塁打も可能だろうと思います。

 

私が選ぶ、中村剛也の凄さがわかる名言・語録集

【名言語録その1】

「僕の好きな言葉はおかわりです」

ブレイク前夜の中村剛也が、キャンプの声出しで放った言葉です。その後の活躍で、この言葉が愛称となり「おかわりくん」と呼ばれるようになりました。

一見すると小兵の力士みたいな体型もあり、すんなり「おかわりくん」が定着しましたが、100キロを越える体重ながら、50メートル走は6秒前半、通算で26盗塁しています。似たタイプの田淵幸一が15年で18盗塁、山崎武司が25年で14盗塁と比べれば、実は走塁がうまいというのがわかります。また守備でも動きが柔らかく、力強いというよりもしなやかなプレーを見せてくれます。

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「希少価値あるでしょ、ボク。こんなデブいないもんね」

そんな自虐ネタを口にすることもありますが、他の選手やコーチも太鼓判を押すほど、体重のわりに動けるのは、もって生まれた筋肉の質の良さと、トレーニングによるものでしょう。

 

「一番大事なのは身体ですかね。身体が動けば、技術も心も安定すると思っています」

どんな世界でも一流のプロは安定した再現力を持っています。なかでもプロスポーツ選手は身体を思ったように操る技術に長けています。

だからこそ中村は安定して「おかわり」ができるのだろうと思います。

 

【名言語録その2】

「ボールが飛ぶ飛ばないは、ボクはどうでもいいです。ボールはボールだから」

2011年、日本プロ野球はいわゆる「飛ばないボール」である統一球を使用することを決めました。その効果は劇的で、前年は両リーグ合わせて1605本塁打だったのに対し、2011年には939本と666本も減少しています。

例えば読売ジャイアンツは2010年にチームで226本塁打でしたが、2011年は108本塁打と半分以下に減り、2010年のセリーグ本塁打王だったラミレスは49本から23本、パリーグ本塁打王だったT岡田は33本から16本という状況でした。

そんな飛ばないボールの中で、中村はひとりだけ別次元の48本塁打を記録します。パリーグ2位の松田宣浩は25本。セリーグ本塁打王のバレンティンが31本、2位がラミレスと畠山和洋の23本ですから、まさに圧倒的です。この年の千葉ロッテマリーンズのチーム本塁打が46本なので、中村ひとりでそれを越えていたことになります。

数字だけをみると、ついパワーがあると考えてしまいますが、パワーだけならば間違いなくバレンティンやラミレスの方が上でしょう。

そこには力だけではない何かがある。そう考えるのが自然です。だからこそ、飛ぶ飛ばないに左右されず、ただボールを追えるのだろうと思います。

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【名言語録その3】

「人より遠くへ飛ばしたい、それだけでした」

中村の母校、大阪桐蔭高校からは中村の他に、中田翔、平田良介、浅村栄斗、森友哉といった多くの強打者を輩出しています。監督の西谷浩一は、ボールを飛ばすパワーならば中田が一番だと言っています。

しかし「技術は断然剛也です」と口にします。「ああいう体型をしているから力だけに思われますけど、剛也の技術は相当に高かった」のだそうです。

メジャーリーグでも活躍した井口資仁は「おかわりくんは、ぜんぜん振っているように見えないんですよね。軽く振っている感じ。それできれいにバットにボールを乗せて運ぶ。あれはなかなかできない」と話しています。

井口資仁監督の凄さや人柄がわかる名言!天才バッターの努力論や人生哲学に迫る!

 

本人も「ボクはパワーではなく、技術で打っていると思ってるんです」と語っており、実際に2018年のインタビューでは振り遅れるようになってきたことへの対策として、「今までは身体を動かさないで振りにいっていたところを、動きを作ることで補おうと考えました」と説明し、またバットの材質もしなるアオダモよりも、堅くてしっかり振れるメイプルに変え、グリップ付近を0.25ミリ削ったなど、自分の打撃についてしっかり分析していなければわからないさ細かな調整について説明しています。

 

「芯にしっかり当たって振り切れさえすれば、遅れていても打球は飛んでいくんで。まあ、他にも色々、理由はあるんですけど」

その色々というところに、中村の技術的な多彩さが詰め込まれているのでしょう。

 

「本塁打を狙うというスタイルは変らないですね。変えるつもりもないかな」

中村という稀代のホームランアーチストが、技術を極め、更に大きく美しいアーチを描き続けてくれることは、プロ野球ファンにとって、大きな喜びであり続けると思います。

 


中村剛也―埼玉西武ライオンズTAKE THE DREAM.舞 (スポーツアルバム No. 32)

 

名言からの学び

・「おかわり」できる再現性こそプロの技である。

・本物の技術があれば、周囲の変化に惑わされない。

・技術が目標を支える。

 

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