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イチローの凄さが分かる名言・語録集!歴代最強のスーパースターの伝説エピソードから努力論まで


イチローとは何者なのか?
もちろん本名は鈴木一朗であり、野球選手であり、プロフェッショナルであり、スーパースターです。しかし、それだけでは言い尽くせないのが、イチローでもあります。日米で巻き起こったひとつの社会現象だったともいえるでしょう。

通算で世界一となる4367安打を放ち、日本では7度の首位打者獲得、アメリカではシーズン最多記録となる262安打を放ち、走っては盗塁王、守備ではレーザービームと呼ばれた強肩ぶりを発揮したイチロー。

野球選手として走攻守すべてに秀で、プロフェッショナルとして誰も到達した事のない高見にいるがゆえに、彼と同じ景色は、他の誰にも見る事ができません。その独特な語り口にひそむ違和感や特別感は、未踏の山を征服した者にしか見えない景色だからなのかもしれません。

今回は歴代最強のスーパースターであるイチローの凄さが分かる名言や語録を紐解き、伝説エピソードや努力論を通して、彼が見た景色の一端に迫ります。

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イチローについて

まずはイチローの経歴を追ってみます。

本名は鈴木一朗、1973年10月22日生まれ、愛知県西春日井郡出身。愛知工業大学名電高校では1年生でレギュラーを獲得。2年生の時に夏の選手権大会、3年生の時に春の選抜大会と、2度の甲子園出場を果たします。1991年のドラフト4位でオリックスブルーウェーブ(現オリックスバファローズ)が指名し、入団。

1992年のルーキーイヤーには初安打と初盗塁を記録、翌1993年には初本塁打を放ちます。1994年に出場登録名を本名からイチローに変更し、レギュラーを奪うと一気に才能を開花させ、日本プロ野球史上初のシーズン200本安打を達成し、当時のパリーグ最高記録となる打率.385で首位打者を獲得。

1995年は1月に起きた阪神淡路大震災で本拠地の神戸が甚大な被害を受けたことから、「がんばろうKOBE」をスローガンに戦い、チームを見事にリーグ優勝に導き、首位打者、最多打点、最多安打、盗塁王、最高出塁率と打者五冠を達成。特に最多打点と盗塁王の同時獲得は過去イチローのみが達成しています。

更に2000年まで7年連続で首位打者、ベストナイン、ゴールデングラブ賞に輝き、5年連続最多安打、パリーグ歴代1位となるシーズン打率.387など、数多くの記録を残して、2000年オフにポスティングシステムによるメジャーリーグ挑戦を表明。シアトルマリナーズへの移籍が決定します。

2001年、メジャー移籍1年目も走攻守と大いに活躍し、新人王はもちろん首位打者、盗塁王、ゴールデングラブ賞、MVPとアジア人として初受賞となるタイトルをいくつも獲得し、この年から10年連続でシーズン200本以上の安打を放ちます。2004年には首位打者と共に、シーズン262安打というメジャーリーグ記録を打ち立て、日米通算2000本安打に達します。

また2006年から始まったWBCに第1回大会と2009年の第2回大会に日本代表として出場。2度の優勝に貢献します。特に第2回大会では打撃不振に苦しみながらも、決勝戦で決勝打を放ちました。

その後、2012年のシーズン途中でニューヨークヤンキースに移籍。2015年にはマイアミマリーンズに移籍。2016年にはピート・ローズの持つメジャー通算最多安打の4256安打を、日米通算記録で越え、メジャー通算でも通算3000安打を記録しました。2018年に再びマリナーズに復帰。2019年、東京での開幕戦終了後に引退します。

日本通算9年間で1278安打、118本塁打、199盗塁、打率.353。首位打者7回、最多打点1回、盗塁王1回、最多安打5回、ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞7回、MVP3回。
メジャー通算19年間で3089安打、117本塁打、509盗塁、打率.311。新人王、首位打者2回、盗塁王1回、ゴールドグラブ賞10回、シルバースラッガー賞3回、MVP1回。

引退後は草野球チームを作ったり、学生野球資格回復したり、アマチュア野球の普及活動にも貢献しています。

 

私が選ぶ、イチローの凄さがわかる名言・語録集

【名言語録その1】

「鈴木一朗とイチローは別人です。鈴木一朗がイチローに作品を作らせている感覚です」

イチローは時折、イチローという存在を三人称として表現することがあります。「イチローという選手に対する見方は、僕が一番厳しかった」とか「ああいうイチローもありなんです」といった表現です。

ミシガン大学とミシガン州立大学の研究によると、1人称をあえて3人称で語ると感情の乱れを静める効果があるのだそうです。イチローは経験的に、鈴木一朗とイチローを切り離すことで、冷静にイチローという作品を磨きあげていたのかもしれません。

 

「今までの10年は、イチローが鈴木一朗よりもだいぶ先を走っていましたから、そこに追いつけなかった。でも、ようやく追いついた。もはや彼は僕の一部です」

2015年には上記のように語っています。イチローが鈴木一朗より先を走っていたのは、2005年からの10年ということになりますが、その前年の2004年にメジャー記録であるシーズン262安打を放っています。メジャーでもフロントランナーとなったイチローが、いかに大きな存在になったのかがわかる気がする言葉です。

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【名言語録その2】

「グラウンドの中は、劇場でいえば、舞台の上と同じでしょ。そこで演じている人は、すべてかっこよくなければいけない」

イチローは練習の段階から、彼の姿を追っている観客を意識しています。たとえば守備練習では背面キャッチを見せて沸かせるのは、そのひとつです。有名な打撃のルーティーンはもちろん、一挙手一投足すべてにおいて、かっこよさを追求しているように感じます。それは単に見た目ではなく、プレーの質においてのクオリティを意識してのことでしょう。

2015年シーズン、あまり結果は出せなかったイチローですが、打ってから1塁までの到達タイムは、シーズン平均3.98秒でした。これはこの年のメジャーリーガーで5位の記録です。当時41歳の年だったことを考えると驚異的な数字です。

清原和博はイチローについて「打者として僕らに共通していたのは、ボールを遠くに飛ばせるということでした」と語っています。単打の多いイメージのイチローですが、プロ通算525本塁打を放ったホームランバッターが、自らと同列に置くほど、その気になれば飛距離を出せる打者であり、打撃練習では柵越えを連発するほどです。

愛知工業大学名電高校の監督だった中村豪は、イチローが「センター前ならいつでも打てる」と豪語していたのを覚えています。事実、バットを振ればヒットで、珍しく見逃し三振をすると「審判の判定ミスだ」と言っていたそうです。

高校時代は投手でもあり、ヒットはいつでも打てて、その気になればホームランも打てる、どれかひとつだけを磨いても一流にはなれるかもしれません。しかし走攻守、野球のあらゆる場面で格好いい、イチローが自分のスタイルとして貫いたものは、そんな野球なのだろうと思います。

 

【名言語録その3】

「すべての選手におぼえていてほしいことは、プロフェッショナルとは何か、です」

この言葉は引退後、マリナーズの球団特別功労賞の授賞式で話したものです。イチローは東京ドームでの引退会見で、「頭、使わなきゃいけない競技なんですよ、本来は。でも、そうじゃなくなってきているのがどうも気持ち悪くて」とも語っています。

メジャーはもちろん、日本でもセイバーメトリクスから始まった、データを重視する野球が現在の主流になっています。データを使うイコール頭を使う野球ではないのですが、それについてイチローは「野球をやったことないやつを現場に入れているから、ややこしくなっている」と疑問を呈しています。

データは嘘をつきます。同じ150キロの速球も、打者から見ると打ちやすい投手と打ちにくい投手がいますただ足が速くても盗塁やベースランニングの速さとは違います。数字ではわからないプレーが、時に投手を精神的に追い詰め、時に打者の余裕を奪う、僅差の試合や重要な試合であるほど、そんな機微が試合の結果を左右します。

 

「準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく、そのために考え得るすべてのことをこなしていく、ということですね」

データはあくまでもイチローの言う「準備」のひとつにすぎないのだろうと思います。データは有用ですが、それはひとつの傾向を示すものであり、起ることのすべてを表しているものではありません。

 

「人の心を動かすとか、勇気を与えるとか、感動を与えるとか、よくあるフレーズですけど、無理なんです。それは目的にはできない。目的となったら、そんなの与えられるわけがない。なるとしたら結果的にそうなるだけです」

イチローの言葉を読み解けば、本当のプロフェッショナルにとって必要なことは、結果として勇気や感動を生み出すかもしれないクオリティのプレーをただひたすらに続けることなのかもしれません。それはすでに苦行といえる領域でしょう。

 

「僕が言葉で答えを出さないことは、見ている人に考えてもらうための唯一の方法ですし、それは見ている人の楽しみでもあると思うんですよね」

イチローとは何者なのか?
その答えは極めようとする人なのかもしれません。

本当の答えはわかりませんが、ファンにとっては、イチローの残した問いかけについて考えてみる。それもまた野球の楽しみ方のひとつであり、イチローという作品の楽しみ方なのではないでしょうか。

 


Number PLUS 「永久保存版 イチローのすべて」 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバープラス)) (文春e-book)

 

名言からの学び

・自己を客観的にみることが、結果を生む。

・クオリティこそ面白さにつながる。

・プロにとってデータは準備のひとつにすぎない。

 

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