ケーシー・マギーの凄さが分かる名言・語録集!シーズン最多二塁打記録(セリーグ)保持者の伝説エピソードから努力論まで
2025/09/06
セイバーメトリクスの登場により、野球のデータ分析は新たなフェーズに入りました。特に出塁率と長打率を指標とするOPS(On-base plus slugging)は、得点と結びつくものとして注目されるようになりました。OPSをAからGランクに格付けした時、最上位のAは9.000以上とされていますが、助っ人として来日した3年間のうち2年のOPSが.891と.897という素晴らしい成績を残したのは、ケーシー・マギーです。
東北楽天ゴールデンイーグルスで1年間、読売ジャイアンツで2年間、プレーしたマギーですが、3年間の通算OPSが.865という、まさに得点にからむ選手として活躍し、イーグルスでは東日本大震災の被災地を勇気づける2013年の日本一に大きく貢献しました。
ジャイアンツ時代にはセリーグ記録となるシーズン48本の二塁打を放ち、得点にも打点にからめる好選手ぶりを発揮しました。
今回はイーグルスの初優勝に貢献し、セリーグのシーズン最多二塁打記録の保持者であるケーシー・マギーの凄さが分かる名言や語録を紐解き、その伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
ケーシー・マギーについて
まずはケーシー・マギーの経歴を追ってみます。
本名ケーシー・マイケル・マギー。1982年10月12日生まれ。アメリカ合衆国カルフォルニア州サンタクルーズ出身。カルフォルニア州ソケル高校では野球とバスケットボールをプレーし、野球では郡年間最優秀選手に選ばれました。またSCCAL(サンタクルーズコースト・アスレチック・リーグ)の歴代安打記録を作り、AAU(アマチュア運動連合)のオールアメリカンにも選出されました。高校卒業後はカリフォルニア州立大学フレズノ校に入学。2003年のドラフト10巡目でシカゴ・カブスに指名され、プロ入りします。
2008年にメジャー昇格を果たしましたが、オフにウェーバー公示され、ミルウォーキー・ブリュワーズに移籍。2009年に規定打席不足ながも打率3割2桁本塁打を記録し、翌2010年にはレギュラーとしてチームトップとなる打点を稼ぎ出しました。2011年に調子を落とすと、オフにピッツバーグ・パイレーツ、2012年はニューヨーク・ヤンキースにトレードとなります。
2013年に東北楽天ゴールデンイーグルスと契約し、来日。AJことアンドリュー・ジョーンズとともにチームを牽引し、イーグルスの初日本一に大きく貢献します。
2014年はメジャーに戻り、マイアミ・マーリンズでプレーし、2015年はサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍しますが、シーズン途中で再びマーリンズに移籍。2016年にFAでデトロイト・タイガースと契約しました。
2017年、再び来日し、読売ジャイアンツでプレー。セリーグ記録となるシーズン48二塁打を放つなど、チームを牽引。2018年も21本塁打と活躍しますが、このシーズン限りで引退。
メジャーリーグ通算8年間で、721安打、67本塁打、打率.258。カムバック賞1回。
日本プロ野球通算3年間で、457安打、67本塁打、打率.298。ベストナイン1回。
引退後は読売ジャイアンツの駐米スカウトやユニオン大学野球チームのコーチなどを務めています。
私が選ぶ、ケーシー・マギーの凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「ガタガタ言ってないで、いいから早く投げろ!」
読売ジャイアンツでプレーしていた時、ヘッドコーチだった村田真一はマギーについて「とにかく一番いいのは、責任感があって、野球に取り組む姿勢が真面目なところやね」と語っています。更に「頭がいい。楽天時代の経験もあるし、セリーグの投手に慣れてきて、配球をきちっと読んで狙い球を絞れている」と評価していました。
ジャイアンツでは本来の三塁手だけでなく、不慣れな二塁手としても出場しましたが、「オレは一塁手でも三塁手でもなく野球選手なんだ。だから最善を尽くすのは当たり前のことだと思っている」と語り、チーム方針に理解を示しました。
2017年に同僚だったマイルズ・マイコラスが、マウンド上で審判への不満をあらわにした時、マギーは上記の言葉で彼を叱咤しました。野球選手として、プロとして、やるべきことはそういうことではないという、マギーの明確なメッセージであり、意思表示だったのだと思います。
【名言語録その2】
「優勝するためにアンドリューとともにイーグルスに来た。だからアメリカの野球から日本の野球にアジャストしていかなければならない」
2013年の東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一は、東日本大震災の傷が癒えぬ東北地方の人たちにとって、大きな希望となりました。だからこそイーグルスファンにとって、今でも最強助っ人はアンドリュー・ジョーンズとマギーのコンビです。
日本のチームからのオファーはイーグルスだけでなく、他にもうひとチームあり、ぎりぎりまで悩んだそうです。実は別のチームの方が金銭面での条件が良く、家族のためにそちらに決めようとしていました。しかし奥さんや代理人はマギーがアンドリュー・ジョーンズとともにイーグルスでやりたがっている本心に気付いて、彼の心からの決断を後押ししてくれました。
イーグルスに決めたものの、当時の監督だった星野仙一をインターネットで検索すると、「審判を殴ったり、相手選手に激怒したり、迫力ある映像ばかり」で「この人の下でプレーするのはとても不安」だったそうです。
しかしキャンプではチームに溶け込むよう星野がすごく気遣ってくれ、「助っ人ではなく、本当にチームの一員にしてくれた」ことに感激したそうです。結果が出ていなくとも「気にするな。どうなってもお前に頼むから、リラックスして自分なりの野球をして欲しい」と言われ、「時間経過とともに、野球人生で最も好きな監督」に変わりました。
イーグルスが優勝した後、星野はジョーンズとマギーに特注の高級腕時計を贈り、マギーはそれについて「今でも、見ると胸が躍りますね」と語っています。
「ここでチャンピオンの喜びを味わえましたから。私にとって日本は、特別な場所なんです」
奥さん、代理人、アンドリュー・ジョーンズ、星野仙一、イーグルスのスタッフやチームメイトなど、すべてが見事に調和した結果が、更に特別な結果をもたらしたのだと思います。
【名言語録その3】
「チームに今までにない違いを生み出すことができるじゃないかと感じた」
条件面で上回るチームではなく、イーグルスに惹かれた理由について、マギーはチームが若く、発展途上であり、まだ成功をおさめていないチームだったからと話しています。マギーとアンドリュー・ジョーンズが加わることで、「今までない違いを生み出す」だろうという予感は正解でした。
「大事な場面、1点でも多く取るためならホームランはいらない。自分のスイングをしてヒットになればそれでいいんだよ」
そのアプローチがイーグルスを優勝に近づけ、ジャイアンツではセリーグ記録となる二塁打数を生んだのでしょう。
再来日した際、マギーは「ここで味わった、毎日グラウンドに立つときに、お腹のなかを蝶がぐるぐる飛び回る感覚を経験していなかったら、戻ってくることはなかった」と独特の表現で戦いの中の興奮や緊張感について語っています。
「頼られているということは、それに応えないといけない。そんなところから緊張がくるんです」
2013年日本シリーズの第6戦、シーズン無敗を誇っていた田中将大で敗北した翌日、マギーとジョーンズの隣に田中が座りました。田中は無表情かつ無言で、その状況に耐えられなくなったマギーは思わず「今日、投げるのか?」と尋ねました。田中の答えは「We win. I pitch」。
前夜に160球も投げているので、本当に投げるとは信じていませんでしたが、9回に星野が投手交代を告げ、田中の登場曲が流れると、スタンドが大きく沸きました。マギー自身も全身に鳥肌が立ち、「素晴らしい終わり方」だと思ったそうです。
「野球という競技は、何が起こるのか言い切ることができません。だから未来のことを心配するのではなく、今できることを精一杯やるようにしているんです。今の自分がどんな状況か見極め、それに対してできる限りのことをして、あとは天に任せるようにしているのです」
それはまさにマギーの気持ちだけでなく、星野や田中はもちろん、あの日、球場にいたすべての人の感情とリンクしていたのではないでしょうか。
名言からの学び
・本当に必要なことにまい進するのがプロフェッショナルである
・自分にふさわしい環境を求めるのがプロフェッショナルである
・自分にできることで最善を尽くすのがプロフェッショナルである
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