森友哉の凄さが分かる名言・語録集!天才キャッチャーの伝説エピソードから努力論まで
2020年時点で現役プロ野球選手の出身高校を調べてみると、1位は合計21名を輩出している大阪桐蔭高校です。引退した中にも沢村賞の今中慎二や首位打者の西岡剛などがいますし、現役では中村剛也、中田翔、浅村栄斗らのタイトルホルダーが名を連ねています。2019年にも更にタイトルホルダーが現れました。森友哉です。
2019年にパリーグでは捕手として、野村克也以来54年ぶりとなる首位打者に輝いた森。捕手の首位打者はプロ野球史上4人目の快挙です。確実性だけでなく、身長は170㎝と小柄ながらも、豪快なフルスイングで、シーズン23本塁打も記録しています。
高校時代から藤浪晋太郎とのバッテリーで甲子園で春夏連覇し、国体も制して高校3冠制覇など華々しい活躍を見せ、U18の日本代表にも選ばれ、埼玉西武ライオンズでは2018年と2019年のリーグ連覇に貢献するなど、森は野球エリートとして常にスター街道を歩んできています。
今回はまだまだ成長し続ける天才キャッチャー森友哉の凄さが分かる名言や語録を紐解き、その伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
森友哉について
まずは森友哉の経歴を追ってみます。
1995年8月8日生まれ、大阪府堺市出身。中学3年生の時、筒香嘉智も所属していたボーイズリーグの強豪堺ビッグボーイズで全国準優勝。大阪桐蔭高校では1年の秋から正捕手となり、2年生の時、1年先輩の藤浪晋太郎とのバッテリーで甲子園を春夏連覇。秋の国体も制します。3年生では主将となり、春夏甲子園出場。通算4季連続での甲子園出場を果たしました。2013年のドラフト1位で埼玉西武ライオンズに指名されて入団します。
ルーキーイヤーから1軍出場し、高卒新人としては46年ぶりで3人目となる3試合連続本塁打を記録します。2015年には打撃力を生かすため指名打者として開幕戦から先発出場し、オールスターのファン投票で最多得票を集め、史上最年少で最多得票での選出となりました。2018年には本来の捕手としての出場が増え、初のベストナインに輝き、チームもリーグ制覇を果たします。2019年は正捕手の座を不動のものにし、首位打者を獲得。主軸のひとりとして100打点も記録して、チームのリーグ連覇に貢献。MVPを獲得します。
2019年シーズン終了まで、プロ通算6年間で594安打、74本塁打、打率.298。MVP1回、首位打者1回、ベストナイン2回。
森は日本を代表する強打の捕手として、これからもまだまだ成長し続けることでしょう。
私が選ぶ、森友哉の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「自分の中ではコンパクトに振る中でのフルスイングというのがあります。そういうフルスイングをする中で、しっかりボールを捕らえられるようになるというのが自分の理想かなと思っています」
森といえばフルスイングですが、とはいえパワーに任せた荒っぽさはなく、2019年には3割以上を打ち、通算でも3割近い打率を残すなど、確率の高い打撃を見せています。それが本人の言う「コンパクト」さに現れているのかもしれません。
森の他に筒香嘉智も所属していた堺ビッグボーイズの代表である瀬野竜之介は「筒香がカメなら、森はうさぎですね。勝手にぴょんぴょん伸びていった」と語っています。森は投手や野手もこなせる万能選手で、やんちゃでなかなか言うことを聞かない一方、試合以外では木製バットを使うとか、練習では徹底して逆方向に打つといった指示にはしっかり従ったそうです。森には子どもの頃から何が自分に必要なのか見抜く力があったと瀬野は感じていたそうです。
また森の初球からタイミングを合わせてフルスイングできる能力は天性のものでしょう。そんな才能の塊ともいえる森ですが、身長は170㎝とプロでは小柄であり、身体的に恵まれているわけではありません。才能だけに頼ることなく、子どもの頃からの高い意識をもってたどり着いたコンパクトなフルスイングで、一流の打者にたどりついたのだと思います。
【名言語録その2】
「オレがいないほうが強いんちゃうか」
2017年の開幕前にWBC強化試合となるキューバ戦で、日本代表に選ばれてプレーした森ですが、死球を受けて左肘を骨折し、長期間の離脱を強いられました。チームはその時期好調で、森は思わず上記のような言葉を漏らしたそうです。岡田雅利の台頭など、開幕から出遅れた焦りや危機感があったのでしょう。
野球エリートでずっと順風満帆に見える森ですが、プロ入り当初は打てる捕手として期待されながらも、捕手という過酷で難しいポジションだけに、その打力を生かすために指名打者や外野手として起用される方が多く、本格的にコンバートを勧める解説者などもいました。いざ捕手として出場してもレジェンド捕手である野村克也に「リードが淡泊」「もっと配球術を勉強した方がいい」と厳しい指摘を受けることもありました。
野村克也監督の名言!苦労人の努力やリーダー論など人生哲学に迫る
2017年のケガによる出遅れは、ある意味で転機にもなり得る時期でした。打撃だけで十分に稼げる選手ですし、これを機にコンバートを考えるのもひとつの選択だったと思います。しかし何が自分に必要なのか見抜く力があるという森は、捕手を安易に捨てることはしませんでした。
侍ジャパンに選出された際にも、対戦したことのないセリーグの投手とバッテリーを組むのに悩んだ森は、代表戦の最中にも関わらず、ライオンズの秋元宏作バッテリーコーチにLINEでアドバイスを求めたそうです。その秋元コーチは森について「どんな環境でも、投手のことを真剣に考えている」と語っています。そして2018年にはしっかりと正捕手の座をつかみとったのです。
【名言語録その3】
「守りと打撃は別のスポーツ」
守りが重視されるポジションである捕手ですが、森は打撃と守備は切り離して考えるようにしているようです。
「バッティングはバッティングで割り切っているし、守りも集中している。別物と考えています」
守備の最中、ひとりだけ敵と同じ視点でグラウンドを見渡せるのが捕手ですが、だからといって敵と同じ攻める側の視点で見てはダメで、あくまでも守る側の視点で俯瞰しなければなりません。捕手がグラウンドの監督だというのは、まさにすべてを見渡せるポジションだからなのでしょう。
森があえて守りと打撃を分けて考えているのは、捕手としての考えを引きずらないようにするためかもしれません。バッター森友哉の良さは初球からフルスイングできるところであり、ここでも自分に何が必要なのか、うまく選択できる才能が生かされているように思います。
2015年のオールスター戦で、かつて甲子園を沸かせたバッテリー対決がありました。投手は藤浪晋太郎、打者は森友哉。打球は高く上がり、東京ドームの天井に当たりました。その時の悔しそうでありながら楽しそうな姿こそバッター森の表情であり、捕手森の表情は常にキャッチャーマスクの奥に隠されているのでしょう。
名言からの学び
・全力だから精度が低いとは限らない。
・人生の正解は、自らが必要とするものを選択できるかどうかである。
・視点を変えることは、違う武器を得ることでもある。
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