日本プロ野球の年金制度だといくら貰える?受給資格・金額に加えて歴代最高額も調査
近年、アスリートの“セカンドキャリア”という言葉をよく耳にします。“セカンドキャリア”とは、端的に言うと「現役引退後の第二の人生」。華々しいキャリアを積み重ね、誰もが認める超一流選手として名を馳せた選手であれば、そのまま同じ世界で指導者や評論家などの仕事に携わって生活していくことも可能ですが、そうではない大半の選手は別のステージで新生活をスタートされることになりますね。
もちろん、厳しいプロ野球の世界もご多分に漏れません。戦力外通告を受けた選手、あるいは自ら現役引退を表明した選手。大志を抱いて新たにこの世界に飛び込んでくる若者の数だけ、第一線から退かざるを得ない選手もいるわけです。
そんなとき、切実な問題として直面するのが「お金」のこと。当面の生活はもちろん、自力で何かを始めようと試みる際にも必要であることは間違いありません。
今回は、その「お金」に関することとして「日本プロ野球の年金制度」をクローズアップ。受給資格をはじめとして金額としていくら貰えるのか、そして現状のシステムはどうなっているかなど、可能な限り紹介してみたいと思います。歴代最高額も調査しましたので、合わせてチェックしてみて下さいね。
目次
日米プロ野球の年金制度について
それでは制度について紹介していきますが、まずは日米の比較という意味で、メジャーリーグの年金制度から簡単におさらいしてみます。
メジャーは10年登録の満額で年間約2000万円
メジャーの年金制度は、選手会が運用する終身年金。たった1日でもメジャー登録されれば資格を得ることができ、10年間の選手登録があれば、本人が亡くなるまでずっと満額の年金が支給されます。その一方で、マイナーの選手は資格外。非常にシビアな世界ということが、このはっきりとした制度からも見て取れます。
ちなみに支給金額は登録年数によって異なり、9年登録で90%。以下、5年登録まで、1年違うごとに10%ずつ減っていきます。
10年登録100%の満額支給で、年間約2000万円。この条件をすでにクリアーしたイチロー選手や松井秀喜氏らは、1年間で確実にこの金額は受け取れるわけですから、活躍したぶんの対価としても、かなり恵まれた懐事情になりますね。
【MLB】大リーグの年金制度だといくら貰える?受給資格・条件や金額まで日本人を事例に考える
日本プロ野球は1軍・2軍とも10年以上の選手登録が条件だった
では、日本プロ野球界の年金制度はどうなっているのでしょうか?
受給資格条件は「10年以上の選手登録」となります。ここでメジャーと大きく異なるのは2軍選手であっても対象になるということ。つまり極端な話、一度も1軍に上がれなくても10年間選手登録されれば年金を受け取る資格を得られるわけです。
支給額は年間で100万円超(月に10万円超)。55歳以上で「支給されていました」。
さて、ここで気になることはありませんか?
前述のように「支給されていました」…というのは、実は現在は廃止されているからです。
現役を退く選手というのは毎年かなりの人数となりますから、当然、受給者は増えていく一方ですよね? つまり、そのことによって財源が厳しくなり、2012年にこの制度はなくなってしまったのです。
ちなみに現在は侍ジャパン、あるいはリーグの収益などから毎年、ある程度のまとまった金額を、国民年金基金に積み立てているとか。
今後、以前のような制度に戻るのかどうかは不透明ですが、第二の人生をスタートさせている元・選手の皆さんにとって、より良い方向へ再度進むことを願うばかりです。
平均的にはどれ位もらえる?
上記のように現在は国民年金制度ということになりますので、毎年変動がありますが、支給額は平均すると年間約80万円といったところでしょうか。メジャーリーグの満額2000万円にくらべると、やはり寂しい数字と言わざるを得ません。
仮にもし、元の制度に戻すのが難しいようであれば、それに近い内容の新たなシステムを構築し、元・選手の皆さんの“セカンドキャリア”の不安を少しでも軽減していただきたいと思います。
歴代最高額は誰でどれ位?(予想含む)
あくまで推測になりますが、上記の条件を満たす受給者ということで考えると、川上哲治氏がまず思い浮かびます。
「打撃の神様」としてプロ野球史に深く名を刻んだレジェンド中のレジェンド。2013年に93歳でお亡くなりになるまで、球界の真のご意見番として長く活躍されました。
続いて、ご存命のOBとしては杉下茂氏の名前が挙がります。
「フォークボールの神様」として一世を風靡し、実働11年間で215勝を挙げた名投手です。御年92歳。古巣・中日ドラゴンズの春季キャンプでいまだに毎年臨時コーチを務めるなど、まだまだ元気いっぱいの御方です。
まとめ
・日本プロ野球界の年金制度の受給資格条件は「10年以上の選手登録」。
・メジャーと大きく異なるのは「10年以上」であれば、2軍選手であっても対象になるということ。
・支給額は年間で100万円超(月に10万円超)。55歳以上で支給されていたが、2012年に廃止されて国民年金に。新たな制度構築が望まれる。
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