佐々岡真司の凄さが分かる名言!人生哲学からピッチング理論や指導方法にも迫る
2019/02/11
チームの屋台骨を支える主力選手が円熟期を迎え、期待の若手が着実に成長・台頭している広島東洋カープ。かつての低迷期からは完全に脱却し、いまやセ・リーグを代表する強豪球団として黄金時代を構築しつつあります。
広島東洋カープは、ファーム(二軍)も近年すこぶる充実。潜在能力の高い選手たちが切磋琢磨し、次世代の中心選手として大きく羽ばたこうとしていますが、彼らの進化に大きく貢献しているのがファームの首脳陣。その中でも、カープ一筋で18年の現役生活を過ごして一流投手としてのキャリアを深く刻み、2015年から投手コーチとして復帰した佐々岡真司氏の卓越した手腕に注目が集まっています。
今回は、そんな佐々岡真司氏の凄さが分かる名言を3つピックアップ。人生哲学からピッチング理論や指導方法にも迫ってみたいと思います。
佐々岡真司氏について
それでは、まず、佐々岡氏の経歴についておさらいします。
1967年8月26日生まれ、島根県那賀郡金城町(現・浜田市)出身。小学3年のときに野球を始め、もともとは内野手。浜田商業高校2年時に投手に転向し、春夏の甲子園には縁がなかったものの、県内トップクラスのレベルまで成長しました。
卒業後、NTT中国へ。キレ味抜群のスライダーを武器に、補強選手として出場した都市抗野球などで活躍し、1989年ドラフト1位で希望球団の広島東洋カープに入団しました。
そして、大きな期待を集めたプロ1年目から堂々のパフォーマンスを発揮。4月の初登板初先発初勝利をはじめとして13勝、17セーブの好成績を収め、以降、チームの主戦投手として長きに渡って活躍を続けました。
1996年からは2シーズン、ストッパーに定着しましたが、1998年からは再び先発ローテにカムバック。シュートをマスターした1999年には、見事にノーヒットノーランを達成しています。
完全試合とノーヒットノーランの歴代達成者は?両者の意味や違いもチェック!【プロ野球】
先発として、抑えとして、また時には中継ぎとして、まさに八面六臂の奮投で球団史に名を残した佐々岡氏。1991年には投手の主要タイトル・表彰を総ナメにしています(最多勝・最優秀防御率・MVP・沢村賞・ベストナイン・最優秀投手)。
現役時代に経験した様々な役割と、数多くの実績が、現在の指導者としての財産になっているのは間違いなさそうですね。
特選!私が選ぶ「佐々岡真司氏の三大名言」
「チームのためならどんな役割も受ける」
この名言には、佐々岡氏の真っすぐな性格が如実に映し出されています。
先発からスタートし、抑え、中継ぎと、投手の役割を全てこなしてきた名投手。プロデビュー早々から先発として好成績を収めたのであれば、たいていの場合、本人がそのポジションに固執するか、もしくは首脳陣が配置転換を告げることを躊躇しそうですが、それぞれの年代のチーム事情もあったのでしょう。佐々岡氏は、チームが勝つためならどんな役割でも受けることを明言したのです。
このような意気込みを示すことができたのは、佐々岡氏の持って生まれた性格や、1人の野球人としての潔さや男気に由来すると思いますが、それらとともに、やはり――心底からの熱い“カープ愛”があったからだと思います。
「FAは好きな球団に行ける権利。ずっと好きな球団でプレーしている僕には関係がない」というコメントも目にしたことがありますが、佐々岡氏にとってカープは、ぜひとも入団したいと思っていたチーム。
そこでプレーすることに対して純粋な遣り甲斐…もっと言えば、無上の生き甲斐を感じていたはずです。粉骨砕身の精神が宿っていたといっても過言ではありません。
何かにつけてドライに考えがちな現代社会。だからこそ逆に、どんな物事に対しても、佐々岡氏のような愚直なまでの献身的な姿勢で取り組むことを見習っても良いのではないでしょうか。
「投げ込んで下半身を作り、ダイナミックなフォームで投げることは大事」
佐々岡氏のピッチング理論や指導方針を考える上で、最も心に響いた名言です。
実にシンプルで明快。スポーツ医科学やトレーニングのノウハウが顕著に発達した近年では、もしかしたら、一昔前のコーチングと捉える向きもあるかもしれませんが、これぞまさに投手育成の基本中の基本と感じる内容です。
このような投げ込み論や根性論を、プロ野球解説者時代も口にしていた佐々岡氏ですが、もちろん、理路整然としたピッチング理論も持ち合わせています。そうでなければ、コーチとしての招聘は有り得ませんからね。
例えば、「体の近くで腕を振る」「腕は横振りではなく縦振りに」「体の開きを抑えて相手打者からリリースポイントを見えにくくする」など。いずれも奇を衒ったアドバイスではありませんが、非常に理に叶っており、投手の成長に不可欠なものばかりですね。
こういった理論と、この名言のような基本的な理論を巧みに織り交ぜて選手の才能を伸ばすことが、佐々岡氏のコーチングの根幹であり、指導者としての質の高さを証明していると思います。
「全部、選手の言うことを聞いてはいけない。アメだけではなく、ムチも大事」
現役時代、マウンド上では常に集中しきった表情で、周りの者を全く寄せ付けない雰囲気があった佐々岡氏。
しかし、ひとたび戦いの場を離れれば強面のイメージは完全に消え去り、ヒーローインタビューなどでは人懐っこい笑顔とともにユーモアを交えたコメントも残してくれました。そんなメリハリのある佐々岡氏に相応しい指導方針が、この名言に表れていると思います。
教育の現場では、「現代の若者に接することは容易ではない」などという言葉も聞かれる昨今。上に立つ者として気を使い、言葉を選んで接することは、それこそ日常茶飯事かと思いますが、この名言のように、いかにしてアメとムチを使い分けるかが大事なのでしょう。
アメだけではダメで、もちろん、ムチだけでもダメ――。
両方のバランスと、それぞれを使うタイミングを思案することが、特に若い世代の素質を開花させていくフォームのコーチとしての大きな仕事。これは一般企業の管理職や、上層部の肩書が付いている方々も常に意識しておきたいことでしょう。
以上、佐々岡真司氏の名言を見てきましたがいかがだったでしょうか。実績はもちろん、ピッチング理論や指導方法にも大変興味深いものがありますよね。
そんな佐々岡真司氏のピッチング理論や指導方法をまとめたDVDがあります。
↓
佐々岡真司の佐々岡流ピッチングの極意 ~体感速度をアップさせるフォーム作り~
少年野球の指導で悩んでいる方や、野球指導経験の少ないお父様でも分かりやすいように解説されています。DVDですので、不明点は何度でも見返せるのもいいですね。
あの前田健太投手も推薦されていますし、今なら「90日間返金保証」制度もついています。リスクなくチェックできますので興味のある方はオススメですよ。
名言からの学び
・何かにつけてドライに考えがちな現代社会だからこそ、どんな物事に対しても、愚直なまでの献身的な姿勢で取り組むことを見習っても良い。
・質の異なる理論を巧みに織り交ぜて選手の才能を伸ばすことが、佐々岡氏のコーチングの根幹であり、指導者としての質の高さを証明している。
・アメとムチの使い分けは、一般企業の管理職や上層部の肩書が付いている方々も常に意識しておきたいこと。
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