【ドラフト会議】上手な球団と下手な球団について。違いはどこにある?
今回はドラフト会議の上手な球団と下手な球団の違いについて、具体的に近年のドラフト会議における球団の戦略をいくつか確認しながら、その傾向と共に探っていきたいと思います。
※上手・下手の基準は、あくまでファンとしての個人的な見解も含みます。
毎年、注目選手がいる中、ドラフト上位で消える選手だけでなく下位指名選手の中にも、後々活躍していく選手も多数います。その代表がなんといってもイチロー選手ではないでしょうか?彼は1991年ドラフト4位で当時のオリックス・ブルーウェーブに入団した経緯があります。ドラフト会議というのは各球団のスカウト陣の手腕によるところが大きいかと思いますが、この差はかなり大きいですよね。
各球団の戦略や傾向まで把握した上で、ドラフト会議やその後の選手の活躍を見てみると野球の楽しみ方がまた一つ増えると思いますよ!
目次
2017年のドラフト会議は10月26日(木)に開催!
早いものでプロ野球も終わりに近づき、これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと今年のシーズンの集大成とも言える季節がやってきました。
それと同時に注目したいのが、日本シリーズ開催直前の10月26日(木)に行われる「プロ野球新人選択会議」、通称「ドラフト会議」です。
今年は特に高校生に豊作が多いと言われており、最大の注目はやはりプロ志望を表明した早稲田実業の清宮幸太郎選手でしょうか。開催日程や見どころについては、以下でもご紹介していますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
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ドラフト会議2017の日程や放送時間は?司会者や見どころについても【プロ野球】
近年におけるドラフトの上手い球団は?
広島東洋カープ
昔から育成には定評があると言われている広島。
ドラフトにもそれは表れており、ドラフトでは「少数精鋭」で、多くても6人前後の選手だけを獲りにいく傾向があります。
数少ない選手をじっくり育てていく。特に高校生にはそのような印象を覚えます。また、なんといっても注目の選手にはいち早く目をつけるというスカウトの眼力が優れています。
その例が2013年に獲得した大世良大地投手だと思います。彼は九州共立大出身で、大学時代からプロに注目され始めましたが、広島のスカウトが長崎日大時代から彼に注目し、プロで獲りたいと思っていた話、そして1位指名競合でくじを引き当てて思わずスカウトが泣いてしまった、というエピソードは有名です。
また、ほぼ無名だった鈴木誠也選手を二松学舎高校から獲得するなど、現在の鈴木選手の活躍ぶりを見るにつけ、スカウトの発掘力は12球団の群を抜いているのではないでしょうか。
【広島】2017ドラフト候補と指名予想!注目選手を補強ポイントからチェック
阪神タイガース
元真弓監督時代までは、「暗黒ドラフト」とファンの間で言われるほどドラフトには失敗が多かった阪神タイガースなのですが、それが変革されたのは故・中村勝広元監督がGMに就任してからのこと。
当時チームは成績がよくなかったこともあり「負広」などと批判をされていたりもしましたが、中村氏がGMになって以来まず実行したのは「スカウト陣を充実させること」。彼の指示により、各地方に専属のスカウトが置かれるようになりました。
実は中村氏はオリックスのGM時代にも、金子千尋、平野佳寿などの選手を指名しており、両選手の現在の活躍ぶりは言うまでもありません。
各スカウトが地方に置かれるようになり、それ以降のドラフト獲得選手を見ると、梅野隆太郎選手、岩崎優投手、岩貞裕太投手、北條史也選手、昨年新人王の高山俊選手など、いわゆる「当たり」が多く、その他にも将来有望なポジションを担っている選手が多い事が分かります。
これは、故中村氏が最大に残した功績と言ってもいいでしょう。
楽天イーグルス
ドラフト1位指名選手はくじ運にも左右されるため、1位指名選手だけではドラフトが上手いか下手かは評価がしにくいものなのですが、1位競合の際にくじを引く楽天の運は群を抜いています。楽天の社長である三木谷氏は「ゴットハンド」とまでの異名を持ってますね。
ですが、1位指名で獲得した松井祐樹投手をはじめとして、1位指名で獲得した選手のみならず、下位で獲得した選手が数年のうちに1軍で活躍している例が多いことがあげられます。
2015年の茂木栄五郎選手をはじめ、捕手の足立祐一選手も早くもスタメンでマスクを被ることも増えています。また、投手陣では2014年の入野貴大投手、2013年の濱田広大投手などが中継ぎで活躍、また2012年ドラフトの則本昴大投手の現在の活躍ぶりは、言うまでもないと思います。
こうしてみると、下位指名の選手に活躍が多いのがよく分かり、無駄のない指名をしていると言ってよいでしょう。
近年におけるドラフトの下手な球団は?
大変失礼かもわかりませんが、ドラフト戦略に疑問を抱かざるを得ない球団があると思うのも事実ですので、代表的な3球団を挙げてみたいと思います。
読売ジャイアンツ
2012年の菅野智之投手、2013年の小林誠司捕手など、目玉選手は活躍の多い巨人ですが、下位指名の選手に活躍が少ないところが気になります。また一昨年、昨年と育成選手を多く獲得していますが、未だに支配下登録の見込みが薄いのも現状です。
さらに、2013年の奥村征展選手、平良拳太郎投手はそれぞれFAの人的補償としてヤクルト、DeNAに放出するなど、若手育成にビジョンがいまいち見えてこないことを考えると、ドラフト自体を見直すべきなのではないかと思ってしまうファンも多いかもしれませんね。
【巨人】2017ドラフト候補と指名予想!注目選手を補強ポイントからチェック
福岡ソフトバンクホークス
巨人と似たところがありますが、ソフトバンクも外部補強の目立つ球団です。そのためドラフト戦略にいささか不可思議な点が見られることも事実です。
まず、近年ドラフト1位で獲った選手がほぼ活躍していない点が最大に挙げられます。2012年の東浜巨投手以来、ドラフト1位の選手は目立った活躍がないのが気にかかるところです。また3軍までと層が厚いとはいえ、今年のウエスタンの順位も奮わない結果に終わっており、育成の面においても疑問を抱かざるを得ません。
2013年の森唯斗投手、上林誠知選手は目覚しい活躍を見せていますが、それ以降のドラフト指名選手においては、1軍での成績がない選手が殆どなのが現状です。
即戦力を外部補強していると言ってしまえばそれまでなのですが、生え抜きの選手がもっと活躍して欲しいと思っているファンも多いことと思います。
中日ドラゴンズ
昨年付けで落合博満GMが退任し、戦略がいささか変わりつつある中日ですが、こちらもドラフトには多少問題があるのでは、と言わざるを得ません。
近年の成績が奮わないためか大卒や社会人を即戦力候補として獲る傾向が強く出ていますが、これも結果にはなかなか繋がってはいないのが現状です。2013年の又吉克樹投手、祖父江大輔投手など今年活躍している選手もいますが、1軍でチャンスを貰っても結果に表れない選手が多々いるといっていいでしょう。
また、名古屋という土地柄で、お膝元の選手を狙う傾向も強く伺えますが、チームとしてはもう少し全国区で良い素材を指名しなくてはいけないのではないかと思えます。
2016年のドラフトでは石川出身の京田陽太選手がルーキーながら大活躍を見せているので、出身問わず幅広く視野を広げたドラフト指名を期待したいところですね。
「上手」「下手」の違いは?
こうして見てみると、上手い球団はスカウト陣がしっかりしている部分が大きいですよね。
注目選手にいち早く目を付けて長い目で育てていく広島はもちろん、スカウト陣を充実させたことでドラフト戦略がガラッと変わって好転した阪神など、裏方の力の差は非常に大きいです。
また、上手な球団は上位指名選手の活躍はもちろん、下位指名選手の活躍も目立ちます。球団の補強ポイントをしっかり把握した上で、無駄のない効率的な指名が出来るかも非常に大きなポイントと言えそうです。要は、若手の育成を含めて、球団の将来ビジョンをしっかり描けているかですね。
まとめ
・ドラフトの上手い球団はスカウト陣の腕力によるところが大きい。
・下位指名選手の活躍が目立つことも、ドラフト指名が上手な球団のポイント。若手の育成を含めて将来ビジョンがしっかり描けているかが重要。
・近年のドラフトの上手い球団は広島、阪神、楽天。下手な球団は巨人、ソフトバンク、中日。
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