嶋基宏の凄さが分かる名言・語録集!楽天を日本一に導いた名捕手の伝説エピソードから人生哲学まで
「生涯一捕手」を座右の銘とした野村克也の、捕手として最後の教え子であり、更には闘将星野仙一にしてただ一度の日本シリーズ制覇に大きく貢献し、わずか球団創設9年目で東北楽天ゴールデンイーグルスをプロ野球史上5番目の早さでのリーグ優勝、そして日本一に導いた捕手が、嶋基弘です。
2011年3月11日に起った東日本大震災の後、例年よりも遅くプロ野球が開幕しますが、4月2日の慈善試合で行われた嶋のスピーチは、東北だけでなく全国のプロ野球ファン、そして普段は野球に興味のない多くの国民の心にも残る、素晴らしいものでした。2020年は世界中が新型コロナウイルスに翻弄された年ですが、それでもプロ野球が開催されたのは、2011年の経験があったからでしょう。
嶋は入団1年目から捕手として野村克也に鍛えられ、岩隈久志や田中将大、斎藤隆、則本昂大らのボールを受け、星野仙一から勝利への執念を学びました。高いレベルで多くのものを学び、ヤクルトスワローズへの移籍後も現役ベテラン捕手としてはもちろん、将来の指導者としても期待されています。
今回は楽天を日本一に導いた名捕手嶋基宏の凄さが分かる名言や語録を紐解き、伝説エピソードから人生哲学まで迫ります。
嶋基宏について
まずは嶋基宏の経歴を追ってみます。
1984年12月13日生まれ、岐阜県海津郡(現海津市)出身。中京大学中京高校では二塁手として1年の時からベンチ入りし、3年の春の選抜大会で甲子園に出場。将来は教師を志望し、國學院大学に進学。アマチュア野球界の名将竹田利秋監督の指導により、捕手にコンバートされ、リーグ戦で首位打者や2部でのMVPも獲得するなど活躍し、2006年の大学生社会人ドラフト3位で東北楽天ゴールデンイーグルスに指名を受け入団。
ルーキーイヤーから開幕1軍を勝ち取り、名将野村克也の指導のもと125試合に出場。翌2008年は出場数を減らしたものの、2009年は100試合以上の出場を果たして、2010年にはレギュラーを獲得し、打率.315を記録。球団史上初となるゴールデングラブ賞に輝きます。2011年は東日本大震災により、慈善試合では後世に残る名スピーチを行いました。この年、エースの田中将大と共に最優秀バッテリー賞に選ばれます。
2012年、日本プロ野球選手会会長に史上最年少で就任。2013年には震災の傷痕が残る東北にとって大きな勇気となるイーグルス初リーグ制覇と日本一に大きく貢献しました。その後も各種国際大会の日本代表に選出され、チームリーダーとして活躍しますが、徐々に故障に悩まされてきます。
2019年オフにコーチ就任を依頼されますが、現役にこだわり、自由契約となってヤクルトスワローズに移籍しました。
2020年シーズン終了までプロ通算14年間で、934安打、26本塁打、50盗塁、打率.240。ベストナイン2回、ゴールデングラブ賞2回。
私が選ぶ、嶋基宏の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「見せましょう。野球の底力を」
2011年4月2日、同年3月11日に起きた東日本大震災の復興支援慈善試合が行われ、その際のスピーチで嶋が語った言葉です。このスピーチは大きな感動と反響を呼び、今もまったく色あせてはいません。
この時、嶋が被災地のチームであるイーグルスの選手会長であったための人選であり、スピーチ内容は基本的に日本野球機構から渡されていたそうです。しかし嶋は自分なりにアレンジを加えました。
「底力という言葉は、元から入っていたんです。変えたのはニュアンスというか、一緒に戦っていきたいという思いを伝えたかったからなんです。球団広報と話し合って、いいところはそのまま残して、手を加えたのがあのスピーチです」
まさにプロ野球史上に残る名言ですが、嶋自身はこの言葉の重さに苦しめられることになります。被災地のチームといえば阪神淡路大震災のあった1995年に「がんばろうKOBE」をスローガンにオリックスブルーウェーブ(現オリックスバファローズ)が、イチローの活躍などで見事にリーグ優勝を遂げました。しかしイーグルスは2011年に5位、2012年に4位と振るわない状況でした。
しかし2013年には田中将大の獅子粉塵の活躍もあり、見事にリーグ優勝、そして日本一に輝き、言葉通り「野球の底力」を見せることが出来ました。その結果は嶋の呪縛を解き、東北を元気づけただけでなく、スポーツが持つ力と意味を示せた出来事になったと思います。
【名言語録その2】
「すぐ熱くなるし、ぐっと入り込みすぎてしまうのが本来の自分なんです。それは自分でわかっているので、試合に入り込みすぎて空回りしているように感じたときには、一歩引いた冷静な自分を立たせて、自分をコントロールするというのは試合でよくやっています」
嶋が捕手になったのは大学生になってからです。大学の監督で高校野球でも活躍した竹田利秋監督が、内野手だった嶋を捕手にコンバートしました。竹田によれば「地肩が強い、フィールディングがいいなど野球としての要素もありますが、何より彼は気配りができる。技術的な要素より人間性でキャッチャーにした」のだそうです。
プロ入り後は名将であり、名捕手でもあった野村克也にしごかれますが、なかなか思うようにはいかず、チームの主砲だった山崎武司に「自分だけじゃなく相手ともちゃんと戦え」と怒鳴られることもありました。
ある時、名捕手として知られた谷繫元信から「お前は机の上だけでリードしている」と言われたそうです。そして「キャッチャーとして一番ダメなのは、ベンチから見ている人間から、それはやっちゃいけないだろう、と思われるプレーを続けること。逆にそれがひとつでも少なくなれば信頼されるし、チームを勝たせることができる」とアドバイスされました。
捕手としてキャリア不足だった嶋は、そうした多くのアドバイスを得て、「リードって、思い通りいかないのが当たり前」だから「できることを全部やりきるのが大事」だと心に決め、リードだけでなく事前準備など様々なことに気を配る捕手になったのです。
【名言語録その3】
「プロ野球人生は1回。勝負したいという気持ちがなくなったら引退する時だと思うんで。僕はまだ、その思いが非常に強い」
2019年オフにイーグルスから戦力外となり指導者としてのオファーがありましたが、嶋は現役にこだわり、ヤクルトスワローズへと移籍します。
「僕らはプロなので、すべての努力は球場での結果にしてみせないといけない」
なかなか出場機会が巡ってこない嶋ですが、「試合に出たいって気持ちが当然あるから、出られない時は悔しいです。だからといってベンチでふんぞり返って座っていても、チームにとって何のプラスにもならない」という姿勢で控えるベテランがいることは、チームに好影響を与えることでしょう。
少なくとも野村と星野という二人の名将に鍛えられた経験は、スワローズはもちろん、いつか指導者になっても役立つことでしょう。
名言からの学び
・力ある言葉は結果を生み出す原動力になる。
・先人の経験を生かすことが成長の鍵である。
・ベテランの姿勢が若手を伸ばす。
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