中川皓太の凄さが分かる名言・語録集!侍ジャパンメンバーの伝説エピソードから努力論まで
なぜ野球の進塁が反時計回りになったのか、実のところ正解はわかっていません。ただそれから左バッターの方が若干1塁に近くなったため、右利きでもあえて左打ちにする選手が増えました。左バッターの増加は、彼らが打ちにくい左ピッチャーの重要性も高めることとなりました。そんな貴重な左腕として活躍し、東京オリンピックの日本代表にも選出されたのが中川皓太です。
残念ながら侍ジャパンメンバーに選出された後に肋骨の骨折が判明し、代表を辞退せざるを得なくなった中川ですが、そのサイドハンドよりは高く、スリークォーターよりは低い独特のフォームから繰り出されるスライダーを武器に、存在感を増しています。
もともとはオーバースローだった中川。オーバースローの投手が腕の位置を下げる事で成功した例は、同じ読売ジャイアンツで活躍した角盈男や松井秀喜キラーの遠山奨志などの例がありますが、少なからず失敗した選手もおり、本人としては思いきった決断だったでしょう。
今回は投球フォームを変え、侍ジャパンにも選出された中川皓太の凄さが分かる名言や語録を紐解き、その伝説エピソードから努力論にまで迫ります。
中川皓太について
まずは中川皓太の経歴を追ってみます。
1994年2月24日生まれ、大阪府富田林市出身。小学生の頃から野球を始め、広島県の山陽高校に入学。卒業後は東海大学に進学し、4年の時に明治神宮大会でベスト4に残りました。2015年のドラフト会議で7巡目に読売ジャイアンツに指名され入団します。
ルーキーイヤーは9月になり、1軍初登板。2017年は先発1試合を含め、18試合に登板。2018年は30試合に登板したものの防御率は5.02と振わず、阿部慎之助や田原誠次のアドバイスで腕の位置を下げて投げるようになり、翌2019年にその成果が現れて67試合に登板。イニング数以上の奪三振を記録し、防御率も2.37と活躍。一時はクローザーとしてチームを支えました。そのオフのプレミア12では日本代表にも選出されます。2020年には故障して一時離脱するも、37試合登板で防御率1.00。
2021年シーズンも好調を維持し、東京オリンピックの代表に選出されましたが、肋骨の骨折が判明し、無念の辞退となりました。
2020年シーズン終了時点までプロ通算5年間、7勝23セーブ35ホールド、防御率3.10。
今後も貴重な左腕として、中継ぎに抑えにと、大車輪の活躍が期待されます。
私が選ぶ、中川皓太の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「自分を実際よりも大きく見せようとしていた」
中川が大きな飛躍を見せるのは2019年ですが、それまでは「自分の持っている力以上のものを出そうとするところが強くあったのですが、空回りするだけ」だったそうです。プロである以上、誰もがより良い結果を求めますが、いくら背伸びをしても、もっと大きな選手が立ちはだかっているのがプロの世界です。
転機は2018年シーズンオフに、まだ捕手として現役であり、数々の名投手を受けてきた阿部慎之助や、サイドハンド投手の田原誠次のアドバイスにより、腕の位置を下げたことです。
伸び悩む投手が変則投法に変えるのは、まさに背水の陣で、プロとして後がない状況であることが多いのですが、中川の場合は「最初は遊びみたいな感じ」で試して、しっくりくるものを感じて変えたそうです。
大打者である阿部には打者目線で、田原には変則投法の投手目線でアドバイスを受け、自分らしい投球を見つけた中川は大きな飛躍を迎えるのです。
【名言語録その2】
「自分でどこが悪いのか分かっていても、それを修正ではなかった」
2019年に大きな飛躍を見せた中川ですが、まだ完全にものにしていたわけではないフォームだったせいか、夏過ぎに体力が落ち始めるとフォームを崩してしまいました。結局どうすれば良いのか頭では分かっていても、修正がきかないままシーズンを終えました。
しかし好成績を残せば、それ以上を求められるのがプロです。原辰徳監督は中川について「クローザーとして一本立ちさせたい」とより大きな希望を語っていました。原監督が中川の未来像について語った姿は、同じような投球フォームから日本記録の407セーブを記録した岩瀬仁紀です。
スライダーを得意とした岩瀬ですが、中川もスライダーを得意球にしています。打者目線だとバックスクリーンの外側から出てきて大きく曲がってくるように見える、変化量の大きいスライダーは、中川いわく「(フォーム変更前と比べ)打者の反応が今までとは違う」そうです。
中川は大きな期待を背負い、スライダー以外のボールにも磨きをかけています。「バッターのスライダーへのイメージを大事にしながら、まっすぐとツーシームをどう使うか」を考え、特にツーシームに磨きをかけました。
そして2019年の成績がたまたまではなかったことを、2020年そして2021年と証明し続けています。
【名言語録その3】
「たとえ打たれて点差を詰められても、チームが勝てばいい」
2021年、東京オリンピックの日本代表に選出された中川ですが、その後に左第十肋骨の骨折が判明し、残念ながら出場を辞退することになりました。練習中に痛みを訴えたということですが、肋骨は体幹を激しくねじった際に折れることもよくあるので、どうしようもなかった思います。
年々、成熟したところを見せていた中川ですし、2021年のピッチングは上記の言葉通り、チームの勝ちに徹する投球だっただけに、日本代表で見られないのは残念です。しかしシーズン後半か、遅くても来シーズンには、再びマウンドでの雄姿を見せてくれるでしょう。
そんな中川ですが、実は乗り物酔いが酷く、学生時代に修学旅行でジェットコースターに乗り、その後1時間半ほど何もせずに休んでいたという逸話が残っています。プロに入った後も移動の際の車でも「タイヤの上は揺れるから真ん中に座る」のだそうです。
しばらくはリハビリで遠征もありません。苦手な乗り物に揺られる機会も減り、ゆっくりリラックスして体を治せるのではないでしょうか。そして一日も早い復帰を期待したいものです。
名言からの学び
・背伸びをすれば、すぐにつまずく
・常に変化を求めることがレベルアップにつながる
・ハプニングは人生につきものである
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