サラリーマンの年収UPや市場価値向上の方法は?野球好きの人事部長が戦略的キャリアの設計方法を徹底的に考える
2024/08/18
野球が大好きで企業では人事部長をしている、ひっとです。
野球と経営は似ていると言われることがありますが、個人競技でありチームプレーが重視される点において、ビジネスパーソン、とりわけサラリーマンのスキルや年収、市場価値をアップさせていく方法を考えるにあたって参考となることが沢山あるように思います。
そこで今回は転職経験もあり、また数多くの採用もしてきた野球好きの私がサラリーマンの年収アップや市場価値向上の方法に加え、転職方法などを中心に戦略的なキャリアアップの方法を徹底的に考えてみたいと思います。(随時アップデート予定)
野球も仕事も楽しんで、ビジネスパーソンとしての価値を一緒に高めていきましょう!
目次
サラリーマンの平均年収について
まずはサラリーマンの平均年収について確認しておきましょう。
令和3年 民間給与実態統計調査によると、2021年の平均年収は、正社員で508万円となりました。一方、正社員以外のパート・アルバイトなどの非正社員では198万円となり、正社員と非正社員の格差は非常に大きいものなっていることが分かります。
ここでは今、非正社員の方はやはりまずは正社員を目指すのが得策だと思いますし、正社員の方で現在の給与に満足がいっていない方は、自身の市場価値を的確に把握し、効果的に年収アップを図っていくことが重要です。
ただし、無理な年収アップは疲弊するため、仮に年収アップが図れても不幸になってしまいますので、無理なく自分の身の丈に合った方法で着実にアップさせていくことをオススメします。
サラリーマンにとっても成長実感があった方が楽しいですし、少しずつでも無理なく成長していける具体的な方法を次で一緒に見ていきましょう。
自分のサラリーマンとしての市場価値(適正価格)を把握しよう
まずは自分の市場価値(適性年収)を知ろう
サラリーマンの年収UPの方法を知る前にまずは自分の市場価値(適性年収)を把握することが重要です。
転職エージェントを活用する
自身の年収が正答に評価されているのか否かについて最も効果的で簡単な方法をまずは転職エージェントに登録してみることです。そして転職エージェントの方と実際に面談をしてみて、自分ならどんな求人で応募できそうかを聞いてみることをオススメします。
転職エージェントの担当者は当たり外れもありますが、その道のプロですし、転職をさせることが彼らの報酬となりますから、無料ではあるものの、真剣に話を聞いてくれますし、応募できそうな求人をピックアップして提示してくれます。
ただし上記で記したとおり、いい担当者にあたるか否かは非常に運要素も強いです。そのため、複数の転職エージェントに登録して必ずセカンドオピニオン、サードオピニオンを聞くことが重要になります。
業種や年代によって各社強み弱みなどが異なりますが、まずは下記の3つに登録しておけば問題ないと思います。やはり大手ですから、小さなエージェントに比べて求人数が全然異なります。
②doda
登録すれば転職エージェントの担当者と面談することが出来ますから、自分の経歴で転職できそうな求人や自分の適正価格等を聞いてみましょう。
その際に、職務経歴書をなるだけ丁寧に記載し、アピールできる情報をしっかり整理しておくことが重要です。ただし文章への落とし込み方は慣れの部分もありますから、まずは一度担当者に会ってみてから、少しずつ職務経歴を分かりやすい形に修正していっても遅くありません。
エージェントによっては職務経歴書の書き方のマニュアルやセミナー等を用意しているものもありますから、転職する意思がまだなくても使ってみることは有益なことになるケースが多いです。自分のこれまでの職務経歴の棚卸が出来ますからね。自身の振り返りにはもってこいの作業となります。
また、いきなり面談するのはちょっと・・・という方は、求人票の内容から市場価値をリサーチする方法もあります。(エージェントによっては、非公開求人以外であれば登録しなくても確認可能です。)
求人票に仕事内容と必要な経験や能力に加えて、想定年収が記載されていますから、そちらを自分の仕事や経験に照らし合わせて自分の市場価値を把握するという方法です。
転職サイトを活用する
ちなみに、エージェントだけではなく転職サイトを活用するという方法もあります。こちらは担当者などはつかずに、基本的には単純に求人票だけを探すサイトです。
担当者にヒアリング等ができないため、自身でマッチした会社を探す必要がありますが、まずは自力で色々と自分でリサーチしてみたいという方は、こちらから使ってみてもいいと思います。エージェントと両方同時並行で登録して色々と使ってみることをオススメします。
これまた色々と媒体がありますが、まずは下記の3つの登録をしておけば問題ないでしょう。
社内の評価だけでなく、市場での評価を把握しておくことは終身雇用が崩れた今、今後も重要なことになるでしょう。
この仕事を出来るようになれば、この年収が狙えるというのが分かれば、会社で戦略的に該当する仕事を任せてもらえるように動けます。そうすると毎日の会社生活も前向きになれるでしょう。
一種の市場価値を高めるゲームみたいな感覚になれるとサラリーマン生活も充実しますし、楽しくなりますよ。
サラリーマンの市場価値の高め方とは?
転職エージェントへの登録を済ませ、自分の市場価値がある程度わかったところで、具体的にはどのようにしていけばいいのか考えていきます。
その前に前提として知っておきたい知識があります。
それは年収は「業界」「職種」の二つによって決まってくるというものです。それぞれ具体的にその意味を見ていきましょう。
業界別の年収について
業界 | 平均年収 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 766万円 |
金融業、保険業 | 677万円 |
情報通信業 | 624万円 |
学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業 | 521万円 |
製造業 | 516万円 |
建設業 | 511万円 |
複合サービス事業 | 494万円 |
不動産業、物品賃貸業 | 426万円 |
運送業・郵便業 | 425万円 |
医療・福祉 | 407万円 |
卸売業・小売業 | 377万円 |
サービス業 | 369万円 |
農林水産・鉱業 | 310万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 260万円 |
出典:「令和3年 民間給与実態統計調査」
上記をご覧のとおり、業界によって平均年収が大きく異なることがよく分かります。
いくら低い業界で頑張っても年収アップは難しいのです。宿泊業・飲食サービス業と電気・ガス・熱供給・水道業とでは3倍近くの差があります。これを社内の昇給、昇進だけでカバーするのは容易なことではありません。
特に日本の場合は、まだまだジョブ型(職種によって年収が決まる雇用形態)は進んでいませんので、年収は業界によってほぼ決まると言っても過言ではありません。
もしご自身の業界の年収が低いようでしたら、高い業界への転職を視野に入れることは効果的な転職活動となることでしょう。
プロ野球で考えると球団によってプロ野球選手の平均年俸が異なるというのと似ていますね。
ご参考までですが、球団によっても大きく異なることがよく分かります。今は一番高いのはソフトバンクになります。高校生が一番行きたい球団はソフトバンクになったという記事をみたこともありますから、給料面も大きく関係しているのかもしれませんね。
セリーグ | |
球団 | 平均年俸 |
読売ジャイアンツ | 6,587万円 |
広島東洋カープ | 4,024万円 |
東京ヤクルトスワローズ | 3,632万円 |
横浜DeNAベイスターズ | 3,479万円 |
中日ドラゴンズ | 3,364万円 |
阪神タイガース | 2,886万円 |
パリーグ | |
球団 | 平均年俸 |
福岡ソフトバンクホークス | 6,932万円 |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 5,887万円 |
埼玉西武ライオンズ | 4,114万円 |
北海道日本ハムファイターズ | 3,680万円 |
千葉ロッテマリーンズ | 3,032万円 |
オリックス・バファローズ | 2,640万円 |
出典:日本プロ野球選手会
もちろんプロ野球はもともと高額ですから、単純に比較はできませんが、イメージとしては同じかなと思います。
職種別の年収について
職種名 | 職種分類 | モデル年収 |
コンサルタント(経営戦略) | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 1,335万円 |
システムアナリスト | ITエンジニア | 1,295万円 |
アクセス解析・統計解析 | WEB・インターネット・ゲーム | 1,048万円 |
コピーライター | クリエイティブ | 1,019万円 |
不動産営業 | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 992万円 |
システムコンサルタント(業務系) | ITエンジニア | 974万円 |
コンサルタント(業務プロセス) | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 970万円 |
経営幹部(CEO・CFO・COO等) | 企画・経営 | 950万円 |
クリエイティブディレクター | クリエイティブ | 937万円 |
用地仕入 | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 925万円 |
金融営業(個人)・リテール・FP | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 847万円 |
営業・企画営業(個人向け) | 営業 | 801万円 |
セキュリティコンサルタント | ITエンジニア | 800万円 |
弁理士・特許技術者 | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 800万円 |
投資銀行業務(インベストバンキング) | コンサルタント・金融・不動産専門職 | 793万円 |
出典:マイナビ転職
先ほどもお伝えしたとおり、日本の場合は職種よりも業種で給料が決まる傾向が強いため、まずは年収の高い業界への転職を目指す方が得策ではありますが、上記のとおり職種によってもモデル年収が相当異なることがよく分かります。
職種分類においても、ITや金融、不動産が多いことも特徴がよく表れていますね。
年収が高いということはそれだけ社会にニーズがあるということですから、もしまだ若い方であれば積極的にキャリアチェンジしてみるのもいいかもしれません。
こちらも野球に置き換えると以下のようなデータもありました。ただし、ご認識のとおり打てるキャッチャーがいれば破格の契約を勝ち取れるでしょうから、あくまでイメージの補完という位置づけでご参照ください。
(ご参考)
ポジション | 平均年俸 |
外野手 | 5,212万円 |
内野手 | 4,682万円 |
投手 | 3,901万円 |
捕手 | 2,813万円 |
出典:日本プロ野球選手会
以上、ここまで見てきたとおり、業界、職種によって年収は大きく異なります。まずはご自身の適性年収を把握しましたら、どの業界、職種にするのが一番効果的な戦略なのかをじっくり考えてから転職活動(今の会社に留まるか含む)を開始することが大事です。
何となく始めても上手くはいきませんから、時間がかかってもいいのでじっくりいきましょう。
次で、おさらいになる部分もありますが、具体的な転職のステップをご案内します。
戦略的な転職のステップ
①自分の市場価格(適正年収)を知る
まずは下記の転職エージェントか転職サイトに登録をし、自分の業界、自分の職種でどのような求人があるのか確認する。
転職エージェント
②doda
転職サイト
②業界、業種を何にするのか決め、今の会社で積める経験をする
自身の適正価格(市場価格)を踏まえて、希望する業界、業種を絞ります。もし営業職であれば、同じ営業職で、年収の高い業界への転職をすれば年収UPが図れます。
ただ今の会社での経験では申し込めない可能性も当然あります。
その場合は、求人票に記載のある経験ができる部署に異動希望を出すなどして、経験を積むために会社で具体的なアクションを起こすことも有効です。
漫然と会社へ行くよりも、具体的な目標がありますから、毎日のサラリーマン生活も充実したものになるはずです。なかなか希望が通らない場合も多いですが、ここはじっくり今の仕事を大事に取り組みましょう。
目の前の業務でまずは成果をあげることが近道となることは間違いありません。その過程で今の職種が向いていることが発見できれば、その職種で転職を考えてもいいですし、今の会社で頑張りが認められば出世できるかもしれません。
出世すると見えてくる景色や会社の待遇も変わってきます。もしそれで満足できそうなら、そのまま今の会社に留まることも立派なキャリア戦略でしょう。
③履歴書、職務経歴書をしっかり作成する
行きたい業界や職種がある程度みえてきたら、その行きたい会社をイメージしながら、履歴書、職務経歴書をしっかり作りこみます。
ここは手を抜いてはいけません。転職エージェントの担当者によっては、手取り足取り書き方などを教えてくれることもありますが、そうでない担当者の場合は適当にチェックだけして、そのまま応募されてしまうケースもあります。
基本的には同じ会社には1度しかエントリーできないため、慎重に作成し十分に求人票の条件を満たせるとなった時に満を持して応募しましょう。
企業の採用担当者は結構しっかり内容は見ています。奇をてらった書き方はあまり推奨しませんが、少なくとも真剣さが伝わる書き方にすることは重要です。面談まで進めないと何も始まりません。
もちろん時間をかけ過ぎると、求人がクローズしてしまうこともあるので、加減は難しいですが。ただそのためにも、いつでもエントリーできるように、事前に履歴書、職務経歴書をしっかり作成しておくことは大事です。
自分が希望していた業界、職種が見つかったときにすぐに動けるように準備しておくことが一番です。何事も準備が大事ということですね。
④応募する前に応募企業の口コミを確認する
応募したい業界や職種が決まったら、応募するステップに移りますが、その前に確認しておきたいことがその企業の口コミです。
もちろん知り合い等がいるのであれば、その人に聞いてみるのが一番いいですが、なかなか身近にそのような方がいるのは稀でしょう。
そこで使えるサイトが口コミサイトです。色々とありますが、使ってみたところ私が一番信用度が高いなと考えるのは以下のサイトです。転職をしたことがある人なら一度は使ったことがあると思います。
中には実態と異なる記述もあるため、すべてがすべて信頼度の高い情報とまではいきませんが、概ねの雰囲気や待遇面を把握するには十分です。
実際に転職を考えている人が書き込んでいるため、リアルな印象を持つことができます。
私も色々と見ながら転職活動をしましたが、概ね当たっていると感じています。
入社後にこんなはずじゃなかった、となる前に、応募する段階からチェックしておくことを強くオススメします。
⑤いざ応募へ!(応募→面接(回数は会社次第)→内定)
ここまで来て、ようやくいざ応募です。
これまでの過程で自分のことや業界、会社のことについて相当詳しくなっているはずです。ここまで全て無料で出来ますから、サラリーマンがやらない手はないですね。私は職業柄、転職意思はなくとも、求人票などを見るのがとても好きなので、半分趣味のような形になっています笑
面接回数などは会社によってさまざまですが、数回の面談で好印象を与えることが出来れば、早ければ2週間程度、遅くとも1か月程度で内定の可否が判明と思います。
百聞は一見にしかず。なかなか最初内定が出ずに心が折れそうなこともありますが、今の会社での業務を真剣に取り組みつつ、並行して①~⑤のステップを繰り返していけば、いつか自分にあった会社を見つけることが出来ます。
焦らず、じっくり探していきましょう。
転職以外の市場価値の高め方は?
ここまで主に転職活動を通じて年収UPや市場価値の向上の方法を見てきましたが、転職の他にもサラリーマンが市場価値を向上させる方法はあります。
こちらについては、また別の機会にご紹介しようと思いますが、「副業」と「資産運用」の二つになります。
サラリーマンとしての市場価値を向上させつつ、「副業」と「資産運用」の二つが加われば将来的な安定度もぐっと上げることが出来ます。
ただ、やはり一番大事なのはまずは本業、つまりサラリーマンとしてしっかり地に足のついた働き方を実現することが最も重要です。
「人生は市場価値を高めるゲームだ」位に考えられると日頃の悩みも小さくなるのでオススメの考え方です。ゆっくり着実に一緒に楽しく市場価値を高めながら充実した社会人生活を送りましょう。
まとめ
・サラリーマンの平均年収は正社員で508万円、正社員以外のパート・アルバイトなどの非正社員では198万円。
・サラリーマンの年収UPの前にまずは自分の市場価値(適正年収)を知ることが大事。そのために転職エージェントや転職サイトへの登録・活用することが有効な方法。
・サラリーマンの年収UPや市場価値の高め方のポイントは。「業界」と「職種」の2つで決まることを意識することが大事。
・戦略的な転職のステップは、①自分の市場価格(適正年収)を知る②業界、業種を何にするのか決める③③履歴書、職務経歴書をしっかり作成する④応募する前に応募企業の口コミを確認する⑤応募→面接→内定の5ステップとなる。
・転職以外の市場価値の高め方として「副業」と「資産運用」がある。一方、一番大事なのはまずは本業の市場価値を高めること。
隣の芝は青く見えるもの。ゆっくり焦らずまずは自分の市場価値(適正年収)を把握しながら市場価値を上げるために必要なことを少しずつやっていきましょう。
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