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長谷川滋利の凄さが分かる名言・語録集!イチローとも親交が深いメジャーリーガーの伝説エピソードから英語学習方法まで


日本人でメジャーリーグのマウンドに上った投手は、2019年シーズン終了まで、すでに45名を数えます。2015年に1試合登板したイチローを入れれば46名です。その中でもっとも勝ち星をあげているのは野茂英雄で123勝。セーブは佐々木主浩の129セーブ。そしてもっとも登板試合数が多いのは517試合の長谷川滋利です。

長谷川は日本でプレーした6年間よりも長い、9年間をメジャーリーグで過ごしました。日本では先発投手を任されていましたが、メジャーでは主に中継ぎとして活躍し、時に抑えとしても登板していました。

渡米当時は、パイオニアとして先に活躍していた野茂のような、アメリカ人に負けない体格と、剛速球やフォークといった際立った武器がないことから、メジャーでは通用しないと言う人もいましたが、持前のクレバーさとコントロールで、日本人最多登板数を記録しました。そんな日本のプロ野球選手としては平均的な体格である長谷川の活躍が、毎年のようにメジャー挑戦者が出てくる現在の日本の環境を生んだ一因だと言えます。

現役の頃から流暢な英語力を駆使し、引退後は多方面で活躍する長谷川。今回はイチローとも親交が深いメジャーリーガー長谷川滋利の凄さが分かる名言や語録を紐解き、伝説エピソードから英語学習方法にまで迫ります。

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長谷川滋利について

まずは長谷川滋利の経歴を追ってみます。

1968年8月1日生まれ、兵庫県加古川市出身。中学生の時に全国軟式野球大会で優勝。東洋大姫路高校では春の選抜大会1回、夏の選手権大会に2回出場し、立命館大学に進学。5度の最優秀投手に輝き、1990年のドラフトでオリックスブルーウェーブ(現オリックスバッファローズ)の1位指名で入団

ルーキーイヤーには開幕から6連敗しますが、その後は持ち味を発揮してシーズン12勝をあげ、新人王に輝きます。1992年は途中でリリーフに回りますが、まもなく先発に復帰。1993年からは安定した投球を見せ、この年から3年連続で2桁勝利をあげます。主軸として1995年と1996年にはリーグ連覇に貢献しました。

1997年、日本人としては初めてとなる金銭トレードでアナハイムエンジェルズ(現ロサンジェルスエンジェルス)へ移籍。当初は先発しますが、5月からリリーフに転向します。1998年からは3年連続で60試合以上に登板し、2000年には日本人投手4人目となるシーズン10勝を記録。

2001年にシアトルマリナーズに移籍。日本でもチームメイトだったイチローと再び同じチームで活躍することになります。2003年には28回2/3無失点という球団記録を達成。しかし2005年のオフにFAとなり、様々なオファーがあったものの「モチベーションの低下」を理由に、余力を残して引退

日本プロ野球通算6年間で57勝、4セーブ、防御率3.33。新人王。メジャーリーグ通算9年間で45勝、33セーブ、防御率3.70。

引退後は野球評論家や様々な選手育成プロジェクトに関わり、バファローズのSAにも就任。2019年にはゴルフのシニアプロを目指して、プロテストを受験しています。

 

私が選ぶ、長谷川滋利の凄さがわかる名言・語録集

【名言語録その1】

「力で押して打たれても、誰も男のロマンだなんて言ってくれない」

日本では速球で真っ向勝負して、打者もそれをフルスイングするのが、男のロマンだと言う人もいます。

力でねじ伏せ合うというのも凄いのですが、プロフェッショナルだからこそ、互いの技術や駆け引きで勝るのもまた優れた能力だといえます。

 

「絶好調の打者に対して、真っ向から勝負しても勝てっこないでしょ。それならば、その打者を歩かせてもいいんです。次の打者をキチンと抑えることができればいい」

長谷川の前にメジャーリーグで活躍していた日本人投手といえば野茂英雄ですが、野茂には日本人離れした体格から繰り出す剛速球に伝家の宝刀のフォークボールと、そもそも規格外の存在でした。

野茂英雄の凄さが分かる名言!メジャーに挑んだレジェンドの魅力や生き様に迫る

 

長谷川と同じ年にメジャーに移籍した伊良部秀輝も身長190センチを越える巨漢であり、プロ選手としては平均的な体格の長谷川ではメジャーで通用しないという評価も少なくはありませんでした。

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しかし長谷川はそんな下馬評を覆し、タフな中継ぎ、時に抑えとして、9年間もメジャーで活躍し続けました。それは大学生の頃からアメリカという国に興味を持って英語を学び、単なるロマンとしてメジャーリーグに挑戦したのではなく、しっかりとしたビジョンを持って挑んだ結果だったのだと思います。

 

【名言語録その2】

「マウンドに上がってからの7球の投球練習が意外に大事なんです。僕は投げる球種や順番も全部決めています」

長谷川の時代のメジャーリーグではマウンドで7球の投球練習が許されていました。現在のルールではわずか5球。日本では1分以内8球です。時代やリーグによって多少の違いはありますが、重要なのはそこにかける準備です。

マウンドの高さや固さは球場によって違います。同じ球場でもブルペンともまた違っています。
マウンドはあまり気にならないというタイプの投手もいるようですが、実戦の舞台で投球イメージを作るのは有効な作業だと思います。また同じパターンを繰り返す、いわゆるルーティンの有効性もよく言われていることです。

郷に入っては郷に従え、といいますが、長谷川は日本でのやり方に固執せず、メジャーに適応するため、トレーニングもメジャー流に変えています。まずシーズン中はボールを使った練習に時間を割かず、試合後には必ずウエイトトレーニングをしていました。週4日はしっかりと取り組み、残る3日は軽めにし、今日は上半身、翌日は下半身というように、強化ポイントにもメリハリをつけたそうです。

当時の日本ではウエイトトレーニングに否定的な人も多くいましたが、長谷川はそれにより日本にいた時よりも球速があがりました。発想の転換と良いルーティンは、良い結果をもたらす証明だといえるでしょう。

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【名言語録その3】

「ある程度基礎が身についてきたら、楽しめるように遊び感覚で英語学習をするといいと思います」

大学時代から実践的な英語の勉強をはじめ、オリックス時代には積極的に外国人選手とコミュニケーションをとり、同部屋の星野伸之にも手伝ってもらいながら学んでいたそうです。しかしオフにオリックスのアメリカ人コーチの家を訪ねたところ、その友人が言った「Where are you staying at?」という簡単な会話も聞き取れず、コーチや助っ人選手たちがあえてゆっくりと話してくれていたんだと理解し、まだまだと思ったそうです。

同じ英語といっても英国のクイーンズイングリッシュのようにわかりやすいものは少なく、英国でも下町生まれのサッカー選手デビット・ベッカムのコックニー訛りのようなものもあります。米国の英語は単語同士の発音がくっついてしまいがちですし、オーストラリアでは「a」が「アイ」と発音されることが多かったりもします。ましてや人種のるつぼであるアメリカには日本人同様に英語が母国語ではない人もたくさんいるので、聞き取るには一定の慣れが必要です。

長谷川の英語勉強法のひとつが、「映画のセリフを字幕を見ながら確認して、使えそうなフレーズを丸暗記する」というものです。最近は外国の映画も吹き替え版が当たり前になりましたが、かつてはテレビ放送以外、封切は字幕が普通だったので、語学の勉強に映画を活用するというのはスタンダードな方法でした。

長谷川が教材にしていた映画は「フィールド・オブ・ドリームス」、ファンタジックな野球映画です。キンセラの原作ではサリンジャーが出てくるなど、米国文学好きも唸る作品です。とにかく最初は相手が何を話しているのか理解することが重要であり、それから間違いを恐れずに積極的に英語を話すのが良いそうです。多くの欧米人はそんな時、間違いを指摘し、正してくれます。そして何よりも効率的な学習よりも「楽しく続けられる」ことが大事だと指摘しています。


フィールド・オブ・ドリームス (字幕版)

「デッドボールと言えば日本では死球ですが、アメリカではフィールド上で完全に止まった球を指します。ボールがバッターに当たる死球は正しくは「Hit by pitch」ですね。日本ではデッドボールって呼ぶんだと、と同僚に言うとみんな「嘘だろ、そんな物騒な」とか笑ってました」

そんな楽しさを忘れない姿勢が、学びには大切だと感じます。

 

【名言語録番外編】

「イチロー関連の質問は一切受け付けません」

イチローフィーバーの中、長谷川は報道陣を、そう煙に巻きました。

自らの著書の中では「イチローがメジャーに来るのを楽しみにしている」と書いており、仲が良いからこその距離感でした。また長谷川はイチローが通訳をつけていることに関して、イチロー自身は問題なく英語を話しますが、何事にも注目される存在であるため誤解や曲解を避けるため、公式のインタビューはあえて通訳をつけているのだろうと話しています。

いくら言葉が流暢であっても、背景にある文化や作法を知らず不用意に使うならば、通訳を介した方がいいし、慎重に内容を吟味する上でもその方がいいというのは、政治やビジネスにも通じるところがある思います。

イチローの名言・語録全集!成功哲学や自分をコントロールするメンタルの鍛え方とは?

 


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名言からの学び

・具体的なビジョンが大事である。

・過去にとらわれず、新しいものにチャレンジする。

・学びは楽しむべきものである。

 

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