福本豊の凄いエピソードが分かる名言!天才の成績・記録から人生哲学にも迫る!
2018/01/28
常人にはとても真似できない打球の飛距離、誰もが感嘆の声をあげる直球の速度。数多くあるプロ野球の魅力の中でも、この2つは特に共感を集めるファクターですが、もう1つ忘れてはならないのが“俊足”。その象徴ともいえる盗塁は、スリリングな要素も相まって、いつの時代でもファンの注目を集めます。
レベルの高い走塁術を有する、いわゆる“韋駄天プレーヤー”が放つ輝き。日本のプロ野球界でそのトップに君臨していたのが福本豊氏です。
通算盗塁数の日本記録保持者(1065盗塁=達成当時はメジャーリーグの記録も超越)であり、「世界の福本」「世界の盗塁王」として、つとに有名。また、足だけではなくバットでも卓越した技術を披露し、通算2543安打、208本塁打という素晴らしい数字を残しています。
現役引退後は、オリックス・ブレーブス(ブルーウェーブ)、阪神タイガースのコーチを務め、その後は、いい意味で“肩の力の抜けた”キャラクターとユーモラスな語り口の野球評論家・解説者として人気者に。その一方、2002年には競技者表彰で野球殿堂入りを果たしています。
今回は、そんな福本豊氏が発してきた数多くの名言(ユニークなコメント/迷言?)の中から3つをピックアップし、独特の人物像にも迫ってみたいと思います。
福本豊氏について
それでは、まず、福本氏の経歴についておさらいします。
1947年(昭和22年)11月7日生まれ、大阪府大阪市生野区出身。大鉄高校から松下電器産業を経て、1968年ドラフト7位で阪急ブレーブスに入団しました。
小柄で非力なため、プロ入り当初の周囲の期待は決して大きくはありませんでしたが、2年目からレギュラーに定着。この年、75盗塁で初の盗塁王に輝きます。
そして背番号が40から7に変わった1972年には日本プロ野球史上、唯一無二の「3桁盗塁」となる106盗塁をマーク。チームのリーグ優勝にも大きく貢献し、盗塁王とMVPのダブル受賞に輝きました。
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その後も黄金時代のブレーブスに欠かせないリードオフマンとして、1982年まで13年連続で盗塁王を獲得。1983年6月3日には、MLBのルー・ブロックが保持していた記録を上回る939盗塁を記録。同年には2000安打もマークしています。
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現役引退は、阪急ブレーブスのラストイヤーとなった1988年。当時の上田利治監督が最終戦の挨拶で「去る山田久志、そして残る福本豊」と言うべきところを間違えて、「去る山田、そして福本」と言ってしまったことから、「監督が言ったなら辞めます」と言って第一線から退きました。こんな仰天エピソードからも、福本氏のユニークさがうかがい知れますね。
特選!私が選ぶ「福本豊氏の三大名言」
「駆け抜けた方が速い。上手い外野手は飛び込まずに落下地点できっちり捕る」
自らの足に対して絶対的な誇りを持ち、誰もが唸るキャリアを積み重ねていたからこそ、この名言には納得せざるを得ません。
実際、ヘッドスライディングを敢行するよりも、ベースを駆け抜けた方が速い――すなわち、セーフになる確率が高いというのは大方の見方です。また、いち早く打球の落下地点に入り、正確に捕球体勢に入る外野手というのは、今も昔も名手と讃えられることが多いものです。
確かに、ヘッドスライディングやダイビングキャッチは一見、派手であり、プロにしかできないという特別感も感じられますが、大きな怪我を負うリスクを伴うのも事実。
福本氏が長年、長期の離脱なくレギュラーを張っていた理由も、この名言に含まれていそうですし、まず何よりも“基本を大事にする”姿勢もうかがえて、私たちも参考にしたい思考法です。
「膝上まで引き上げたストッキングがストライクゾーンの目安になるし、足が速そうに見える」
現在の“肩の力の抜けた”福本氏の印象だけなら、天賦の才能と本能でプレーしていたようなイメージを持つ人(特に若い野球ファン)もいるかもしれませんが、この名言からは、いかに理詰めに、理論的に野球に取り組んでいたかが見て取れます。
それにしても、いわゆる“クラシック・スタイル”と呼ばれるストッキングの履き方に、打撃面での意図が隠されているとは……目からウロコでした。低めの球に対してのストライクゾーンの目安ということですが、なるほど!と言うしかありません。
一方、もう1つの理由である「足が速そうに見える」というのは、福本氏らしい表現ですね。そういえば、“クラシック・スタイル”という表現は、“韋駄天スタイル”と言い換えられることもありました。もちろん福本氏の場合は、「速そうに見える」どころか、本当に「速すぎる」という印象でしたが…。
1つの名言の中に「真面目さ」と「ユニークさ」が同居。このような言葉を全く嫌味なく滑らかに発することができ、多くの人に愛されるキャラを持つ福本氏に好感を持つ人は多いと思います。
「まず、塁に出ることやね」
これは、「盗塁のコツは?」と聞かれたときの返答ですが、頭の回転の良さがうかがえるこの見事なアンサーには、お腹を抱えたファンも、あっけにとられたファンも、同じように多かったと思います。
かくいう私は、笑いが止まらなかったことを、いまだによく覚えていますが…。
確かに、出塁しなければ盗塁企図以前の話になりますので、この福本氏の名言(迷言?)は間違いではありませんし、もちろん、ウケ狙いの意味で口にした言葉であることも否定できませんが、これ以外にも都市伝説化するほどの勢いの“福本氏語録”は数多くあります。
来るべきシーズンは、またどのようなインパクトのあるコメントが生まれるのか――。今から楽しみで仕方ありません。
名言からの学び
・派手さはなくとも、まず“基本を大事にする”。この姿勢を参考にしたい。
・「真面目さ」と「ユニークさ」を同時に表現することも、見習いたい才能。
・ユーモアあふれる言葉を発せられる頭の回転の良さも、ぜひ真似してみたい。
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