クライマックスシリーズはいらない?廃止を求める声から問題点や代替案を考察
2019/09/22
ペナントレースとはまた違った独特の緊迫感があり、短期決戦の醍醐味が十二分に凝縮されるクライマックスシリーズ(以下、CS)。試合開催球場の観客動員、現場の盛り上がりや熱気、さらにはテレビ視聴率、メディアの取り上げ方などを考えても、現在のプロ野球界において有益なコンテンツであることは間違いないでしょう。
近年で記憶に新しいのは2010年の千葉ロッテマリーンズ。リーグ3位からのCS突破、そして日本シリーズを勝ちきっての頂点は“下剋上”と呼ばれ、野球ファンの間で大きなインパクトを残しました。
が、しかし……導入当初からその存在意義に「いらないのでは?」といった疑問符をつける向きも決して少なくありません。
そこで今回は、CS廃止を求める主な声、その理由などをいくつか挙げるとともに、現行制度の問題点、さらには代替案について考えてみたいと思います。
クライマックスシリーズとは
それではまず、CSが導入された経緯と、実施方法から簡単におさらいしてみます。
CSは2004年から2006年までパ・リーグが実施していたプレーオフ制度が土台になっています。レギュラーシーズンの消化試合をできるだけ減らすことを主目的として行われていた短期決戦のトーナメントですが、これが興行的に成功。2007年からセ・リーグでも導入されることになり、両リーグで同一の開催方式とルールの下、今日に至っています。
まず、リーグ2位と3位のチームが「ファーストステージ」(2009年までの名称は第1ステージ)を3試合制で戦い、勝利数の多いチームが「ファイナルステージ」(同名称は第2ステージ)へ進出。引き分け試合が派生して勝利数で並んだ場合は2位のチームの進出となります。
その後、「ファイナルステージ」はリーグ1位のチームと、「ファーストステージ」をクリアしたチームが6試合制で対戦。リーグ1位のチームにはアドバンテージの1勝があらかじめ与えられ、先に4勝したチームが日本シリーズの出場権を獲得。「ファーストステージ」と同様に、引き分けにより勝ち数が同じになった場合は、リーグ1位のチームが日本シリーズに駒を進めます。
ルールについては以下でも詳しく取り上げているので、合わせてチェックしてみてくださいね。
↓
クライマックスシリーズのルールの全て!アドバンテージから延長・予告先発まで分かりやすく整理【プロ野球】
廃止を求める声について
次に、廃止を求める主な声と、その理由をいくつか挙げていきましょう。
・「リーグ優勝の価値が薄れる」⇒CSを勝ち抜けば、レギュラーシーズン3位でも日本シリーズに進出できるから
・「日本シリーズの価値が薄れる」⇒対戦カードがリーグ優勝チーム同士にならない可能性があるから。レギュラーシーズンの勝率が5割以下のチームでも日本一になる可能性があるから。
代表的な声は、この2つに集約されるのではないでしょうか。長いペナントレースを戦い抜いて手にするリーグ優勝。そして、その先にある日本シリーズを制しての日本一。そこに最も大きな価値や重みがあるというのは非常に納得できる話だと思います。
また、球団数が圧倒的に多いメジャーリーグはともかく、両リーグそれぞれ6球団というシチュエーションの下で行うCSに、それほど大きな価値があるのかという声も耳にしたことがあります。
代替案について考える
さらに、上記の内容を踏まえてのCSの問題点から代替案について考えてみます。
問題点について
様々な意見や見解があると思いますが、最も大きな問題は、やはりリーグ優勝の価値を薄れさせる可能性があるということではないでしょうか。たとえ日本一になれなくても、あるいは、たとえCSで敗退してもリーグ覇者としての権威が損なわれることはない…という声もありますが、やはりファンとしては忸怩たる思いや割り切れない気持ちが残るのが事実です。
また、「ファイナルステージ」では1位のチームに1勝のアドバンテージがあるにも関わらず、「ファーストステージ」で2位のチームにアドバンテージがないというのも腑に落ちない点かと思います。3位のチームは1敗した時点でCS敗退というタイトな縛りをつけることも必要かもしれませんね。
代替案について
それでも、興行的には成功を続けているCSですから、近未来に実施方式を大幅に変えたり、制度そのものを廃止したりすることなさそう。ただし、代替案はとしては以下のようなものが考えられそうです。
・12球団を1リーグにまとめ、総当たりでレギュラーシーズンを戦い、勝率の高い上位3チームによるCSを総当たりのリーグ戦で行う。
・セ・リーグ1位とパ・リーグ2位、パ・リーグ1位とセ・リーグ2位、それぞれのカードを行い(各1位に1勝のアドバンテージ)、先に4勝したチーム同士が日本シリーズで対戦。
・かつてパ・リーグが実施していた前後期制を両リーグに採用。ともに、前期優勝と後期優勝のチームを決め、当該の2チームでポストシーズンゲームを行う。前後期ともに同じチームが優勝した場合は、無条件に日本シリーズ進出。
その他、両リーグのチーム数をもっと増やし、さらに東西に分けてそれぞれに優勝チームを決め、日本シリーズ挑戦権を争うというシステムも有りかとは思いますが、これは近い将来に実現するかというと、かなり難しいことかもしれませんね。
まとめ
・現在のCSは興行的には成功しているものの、リーグ優勝チームの価値や日本シリーズの存在意義を考えると納得しかねる部分がある。
・レギュラーシーズン勝率5割以下のチームでもCSに進出でき、同3位のチームが日本一になりえることなどが問題点。
・12球団1リーグ制や、セ・リーグ1位とパ・リーグ2位、パ・リーグ1位とセ・リーグ2位でのポストシーズンゲーム、あるいは前後期制からの日本シリーズ進出権獲得試合の開催などが代替案として考えられる。
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